アクセス
ホーム
サイトマップ
オンライン順番予約

皮膚科

受験生を悩ませる「かゆみ」の対策とスキンケア

【まとめ】受験生を悩ませる「かゆみ」の対策とスキンケア

・受験生は「かゆみ」が起こりやすい
・かゆみを放置すると「悪循環」に陥る
・かゆみの対処法と治療について解説

かゆみが受験勉強に与える影響

皮膚疾患に悩む受験生のお母様を対象としたアンケート調査 1) によると、お子様のかゆみが勉強へ支障をきたしていると感じる方の約88%が「集中力・判断力の低下」、約64%が「イライラする」と回答しています。さらに、約3割の方が「かゆみによってお子さんの成績が下がったと思ったことがある」と答えており、かゆみが受験勉強に及ぼす影響の大きさがうかがえます。

ドイツの学生838名を対象とした研究 2) では、高ストレス群の学生は低ストレス群と比較して、かゆみの発生率が3.41倍高く、かゆみの強度もストレスレベルと有意に関連していました。このように、試験期間などのストレスが高まる時期には、健康な学生でもかゆみや皮膚症状が増加することが、複数の横断研究で示されています。

かゆみの悪循環とは?

かゆいと夜ぐっすり眠れなくなり、昼に勉強に集中できなくなる。また、物事に集中できないこと自体がストレスとなり、さらにかゆみを強めるという悪循環に陥ってしまいます。

  • かゆみは異常を知らせるサイン
    かゆみは、皮膚に異物が付着していたり、からだに異常があることを知らせる「防御反応」のひとつです。
  • かくと気持ちよくなる理由
    かゆい時にかくと一時的に不快な感覚が治まります。しかし、かかずに我慢するのはつらいため、無意識のうちにかきすぎてしまうことがよくあります。
  • かきむしることで起こる悪循環
    かきこわすと皮膚の表面が傷つき、本来備わっている「バリア機能」が低下します。すると外部から刺激や異物が入りやすくなり、皮膚の内部で炎症が起こり、さらに強いかゆみを引き起こします。これを医学的に「Itch-scratch cycle(かゆみ-掻破サイクル)」と呼びます。

かゆみを伴う主な皮膚の病気

かゆみが続く場合、以下のような皮膚の病気が隠れている可能性があります。

アトピー性皮膚炎

良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみを伴う湿疹です。皮膚内部の炎症によりバリア機能が低下しています。ストレスや思春期で症状が現れたり悪化することもあるため、受験生は要注意です。

じん麻疹(蕁麻疹)

皮膚の一部に赤みを帯びたふくらみが現れ、しばらくすると消える症状を繰り返します。疲労やストレスで悪化することがあります。

痒疹

痒みの強いブツブツした盛り上がる皮疹ができる疾患です。

かぶれ(接触皮膚炎)

刺激物質やアレルギー物質(時計の金属ベルト、汗、乾燥による肌荒れなど)が皮膚に触れることで炎症が起こります。

あせも

長時間椅子に座って勉強したり、暖房の効いた部屋で厚着をして汗をかき、汗の出口が塞がることで強いかゆみを伴う赤いブツブツができます。

受験生のかゆみ対策・スキンケア

一般的なかゆみ対策や、スキンケアについて解説しました。受験シーズン本番に困らないよう、今から以下の対策を始めましょう。

  • 保湿習慣をつける
    • 入浴後は、肌が乾燥する前にすみやかに保湿剤を塗りましょう。
    • 保湿剤は皮膚に強くすり込むのではなく、優しく薄く伸ばすように塗るのがポイントです。
  • 正しい入浴方法
    • お湯の温度は「38〜40℃くらい」のぬるめに設定し、湯船につかるのは10分程度にとどめましょう。熱いお湯は、皮膚の保湿成分が溶け出し、かゆみを誘発します。
    • ナイロンタオルでのゴシゴシ洗いは禁物です。石けんをよく泡立て、手で優しく洗いましょう。
  • 刺激の少ない服・肌着選び
    • 肌に直接触れる下着は、綿素材など刺激の少ないものを選びましょう。
    • 縫い目、タグ、ゴムの締め付けなどもかゆみの原因になります。受験当日の服装も「着心地重視」がおすすめです。
  • 室内環境の調整
    • 夏はエアコンによる乾燥に注意し、冬は加湿器を併用して室内の湿度を適切に保ちましょう。
  • 規則正しい生活と応急処置
    • 栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がけましょう。
    • かゆみが強くて我慢できない時は、保冷剤などをタオルで包んで冷やすと症状が和らぎます。

自己判断せずに皮膚科専門医へ

かゆみがあると誰でもかきたくなります。症状に悩むようであれば、皮膚科専門医を受診してください。
一般的に、湿疹(アトピー性皮膚炎など)であればステロイド外用薬、じん麻疹であれば抗ヒスタミン薬が治療の主体となります。

近年、かゆみのメカニズムの解明が進み、飲み薬や塗り薬だけでなく、原因物質(サイトカインなど)にピンポイントで作用する新しい治療の選択肢も増えています。当院では、そのようなアトピー性皮膚炎、結節性痒疹、蕁麻疹の生物学的製剤(抗体医薬品)や、以下の治療薬の処方を行っております ※1

アトピー性皮膚炎ミチーガデュピクセントイブグリースアドトラーザ
結節性痒疹ミチーガデュピクセント
蕁麻疹ゾレアデュピクセント

気になる「かゆみ」がある時は、我慢したり自己判断で放置したりせず、お早めに当院にご相談ください。


参考文献
1) 診療と新薬 47(9): 964-973, 2010
2) Kiupel S et al. Front Med (Lausanne). 2023. 25;10:1104110.

※1 生物学的製剤などの薬剤は、適応条件があります。すべての患者さんに使用できるわけではありません。まずはご相談ください。

関連記事

最近の記事
  1. 受験生を悩ませる「かゆみ」の対策とスキンケア

  2. 水虫(足白癬)を放置するべきではない理由

  3. 円形脱毛症になぜ「光」が効くの?~エキシマライト(紫外線療法)の効果について~