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「ブイタマークリーム」アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬の外用薬

アトピー性皮膚炎の外用治療薬であるブイタマークリーム(タピナロフクリーム)について解説します。

【まとめ】

・アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬の適応あり
・芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化 → 炎症反応を促進する生体内物質の産生を抑制する
・徐々に効果を発揮する
・ニキビ、毛包炎、かぶれ、頭痛などの副作用がある

「ブイタマークリーム」の歴史

「ブイタマークリーム」は。2024年6月に、12歳以上のアトピー性皮膚炎と、15歳以上の尋常性乾癬に対して承認され、2024年10月に発売されました(薬剤の添付文書における「成人」は15歳以上を示すため、尋常性乾癬では15歳以上から使用できます)。
ステロイド外用剤や免疫抑制外用剤とは異なる新しい作用をもつ塗り薬です。

ブイタマークリームの機序

芳香族炭化水素受容体(AhR)は、、芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより、さまざまな遺伝子に働きかます。その結果として、皮膚の炎症を抑制します。

使い方

1日回、適量を患部に外用します。
適量は以前解説したFTUを参考に塗ります。

効果と副作用

ブイタマークリームはステロイド外用剤ほどの即効性は期待できませんが、塗り続けることで徐々に効果が発揮されます。臨床試験を見る限りではアトピー性皮膚炎でも尋常性乾癬でも約6ヵ月(約24週)まで効果があがっていきます。かなり遅発性です。

主な副作用はニキビ、毛包炎、かぶれ、頭痛です。ニキビ、毛包炎は他のアトピー性皮膚炎・乾癬の治療薬でも見られているため、想像しやすいと思います。

めずしいのは「頭痛」の副作用です。現在のところ頭痛がおこるメカニズムは解明されていません。ほとんどの人は外用後2~3日で頭痛を生じますが、頭痛の程度は軽いです。そしてほとんどの方が塗り続けていると数日程度でおさまります。どうしても頭痛が強い場合は鎮痛解熱剤を内服します(鎮痛解熱剤の内服が何かしらの理由できない方は医師にご相談ください)。

臨床試験の結果では、アトピー性皮膚炎の患者さんの方が「頭痛」を生じやすく、尋常性乾癬の患者さんの方が「かぶれ」を生じやすいです。


図の一部は鳥居薬品株式会社のパンフレットとHPより引用いたしました。

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