アトピー

「コレクチム軟膏」の小児アトピーの安全性

アトピー性皮膚炎の治療薬が年々増えています。
まさにブレイク中です!

今回は、「コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)」についてご紹介します。
今年に入り、6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎の患者さんの臨床試験の結果が発表され、安全性が確認されました。

コレクチム軟膏の承認の歴史

コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)は、世界発のJAK阻害薬の外用剤です。
2020年4月、コレクチム軟膏0.5%が承認されました。
このときはまだ16歳未満の患者さんには安全性が確認されていませんでした。
その後、2021年5月にコレクチム軟膏0.25%が承認されました。
そして今回、2023年1月から、6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎の患者さんの臨床試験の結果が発表され、安全性が確認されたため、コレクチム軟膏の添付文書の記載が変更されました。

コレクチム軟膏の機序

コレクチム軟膏はJAK阻害薬という薬剤です。
アトピー性皮膚炎の炎症は、炎症を起こすシグナルがJAK/STAT経路を介して伝わり生じるます。そのため、JAK阻害薬はJAKを阻害することで炎症を抑える働きがあります。

使い方

1日2回、適量を患部に外用します。
適量は以前解説したFTUを参考に塗ります。

1回あたりの塗布量は5gまでです。

効果と副作用

久しぶりにアトピー性皮膚炎の保険適応となった薬剤ということで、大変期待度が高いものでしたが、残念ながらステロイド外用剤ほどの即効性と効果は期待できません
ですが、副作用はその分少ない印象で、主な副作用は毛包炎です。
なによりもステロイド外用剤でみられる皮膚委縮や毛細血管拡張はほとんどみられず、プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)のような刺激感がないという点では、非常に使いやすい軟膏です。
状況を選べば効果的に使用できると思います。

そして、今回から6ヵ月以上の小児に安全性が確認されて、添付文書が改定されたので、大変使いやすくなったと思います。
アトピー性皮膚炎の治療選択肢がどんどん増えてきており、本当に喜ばしいことです。


※ 内容の一部に正確性に欠ける表現があったため、2024年2月に修正いたしました。申し訳ございません。

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