「アトピー性皮膚炎」は「アトピー」と略されることが多いです。
皆さんも1度は耳にしたことがあると思います。
しかし、なんとな~く名前を聞くけど、実際はどういう病気なのかな……という人も少なくないでしょう。
アトピー性皮膚炎の定義を簡単に書くと「特徴的な部位に、慢性的に湿疹を繰り返す病気」です。
……漠然としていて難しいですね。
もう少しかみ砕いて説明してみましょう。
湿疹ができやすい部位
アトピー性皮膚炎の湿疹は特徴的な部位にでるといわれますが、年齢によっても変化していきます。
1)乳児期
乳児期は、口のまわり、頬を中心に湿疹ができます。
しかし、口のまわりや頬に湿疹がでているから、必ずしもアトピー性皮膚炎とは限りません。
乳児の脂漏性皮膚炎でも同じような湿疹ができるので、多くは区別することが難しいです。
乳児期はただでさえ湿疹ができやすい時期ですから、多少の湿疹があるからといって「アトピー!?」と過剰に心配はせず、温かく見守ってあげてください。
治療はアトピー性皮膚炎でも乳児の脂漏性皮膚炎でも大きな変わりはありませんので、湿疹があればご相談ください。
2)幼小児期
幼小児期は、肘、膝の裏側、背中、脇腹にザラザラした湿疹ができます。
特に関節の裏に湿疹ができてると、アトピー性皮膚炎らしさがありますs。
その他に、耳切れができることもよく経験します。
3)思春期・成人期
思春期・成人期は、赤ら顔、首の周りの黒ずみ、全身に湿疹ができます。
赤ら顔は、成人期のアトピー性皮膚炎の1つのタイプともいえるかもしれません。
炎症後の色素沈着が混ざり、独特の赤黒さが特徴です。
あくまで参考ではありますが、多くの方がこのような湿疹の分布になります。
湿疹は左右対称性にでる
アトピー性皮膚炎の湿疹の特徴の一つですが、左右対称性にできると言われています。
ただし、利き手の届きやすいところ、掻き癖のあるところに集中的にできていることもあり、必ずしも左右対称とは言えません。