帯状疱疹の予防ワクチン
80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。
治癒後も後遺症が残ることがある病気です。
ワクチンを接種していない方は、この機会にご検討ください。
ワクチンは原則として事前予約で取り寄せとなりますので、受付や診察時にご相談ください。
帯状疱疹の予防ワクチンは、現在2種類あります。
50歳以上の方が接種できます。
それぞれ特徴がありますので解説いたします。
まずは、帯状疱疹の予防ワクチンのザックリとした私見を含めた比較表です。
弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 | 「シングリックス」 |
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50歳以上から摂取可能 | 50歳以上から摂取可能 |
生ワクチン 皮下注射 | 不活化ワクチン 筋肉注射 |
効果は良好 発症:約50%低下 帯状疱疹後神経痛:約66%低下 | 効果がとても高い 発症:90%以上低下 |
1回摂取 | 2回摂取 (原則2カ月間隔) |
安い 1回7,700円 | 高額 1回22,000円 (2回で合計 44,000円) |
副反応 比較的少ない | 副反応 比較的多い |
効果の持続 約5年 | 効果の持続 9年以上長く持続する (現時点で9年目までの臨床試験結果あり) |
持病により摂取できないことが 比較的多い | 持病により摂取できないことが 比較的少ない |
1)弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
生ワクチンで、弱毒化されたウイルスです。
小児の水痘ワクチンと同じワクチンであり、帯状疱疹の予防にも用いられています。
帯状疱疹の発症を約50%低下させ、もし帯状疱疹を発症したとしても帯状疱疹後神経痛の合併症発症を約2/3低下させます。
副反応は、接種後1~3週間後に発熱を生じたり、3%程度に水痘様発疹がみられることがあります。
5年ほど効果が持続いたします。
当院での接種費用 7,700円(税込)です。
事前予約制となります。
弱毒生水痘ワクチン「ビケン」を接種できない方
・発熱している方/重篤な急性疾患にかかっている方
・免疫を抑制する治療や病気をお持ちの方(ステロイドの内服をしている、HIV感染症、白血病など)
・このワクチンにアレルギーのある方
・妊婦の方
は摂取できません。
弱毒生水痘ワクチン「ビケン」の摂取後に他のワクチンを接種する場合
・不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなど):接種間隔の制限はありません。
・新型コロナワクチン:新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できません。2週間後から接種できます。
・他の生ワクチン(BCG、風疹ワクチンなど):27日後から摂取できます。
2)乾燥組換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス」
ウイルスの感染性をもたない部分だけが含まれたワクチンです。
2回接種が必要です。
2回目は2ヵ月を超えたら6ヵ月後までに2回目の接種を行いましょう。
予防効果は90%以上と高く、効果の持続も10年以上見込まれます。
ただし、生ワクチンに比べると、注射部位の痛みや腫れ(局所反応)などの副反応が生ワクチンに比べて多く生じる傾向があります。
国内での臨床試験では、局所反応では注射した部位の痛み(78%)、赤み(38%)、腫れ(26%)であり、全身の症状は筋肉痛(40%)、疲労(39%)、頭痛(33%)、悪寒(24%)、発熱(18%)、胃腸障害(13%)となっています。
当院での接種費用 22,000円/回(税込)、2回接種で 44,000円(税込)です。
事前予約制となります。
「シングリックス」を接種できない方
・発熱している/重篤な急性疾患にかかっている方
・このワクチンの成分にアレルギーのある方
は摂取できません。
「シングリックス」の摂取後に他のワクチンを接種する場合
・不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなど):接種間隔の制限はありません。
・新型コロナワクチン:新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できません。2週間後から接種できます。
・他の生ワクチン(BCG、風疹ワクチンなど):接種間隔の制限はありません。
帯状疱疹ワクチン どちらがおすすめ??
効果・費用・持病などを参考に決められるとよいでしょう。参考までに
・費用を抑えたい方 → 生ワクチン:弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
・接種の回数を少なくしたい → 生ワクチン:弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
・効果の高いワクチンを接種したい → 「シングリックス」
・効果の長いワクチンを接種したい → 「シングリックス」
・免疫低下の治療や病気がある → 「シングリックス」
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Q 帯状疱疹にかかったことがありますが、ワクチン接種をした方がよいのでしょうか?
1度発症したことがある方でも2度目、3度目と帯状疱疹にかかる可能性があります。特に発症から5年以上経過するとウイルスに対する免疫が低下してきますので、5年経過した方には接種をお勧めします。
なお、5年以内に発症歴があっても希望があればワクチン接種は可能です。