ニキビ

ニキビと食事1(牛乳)

今回は「ニキビと食事」です。
ニキビと食事の関連は多くの人が感じているところだと思います。
さて、今回は意外と知られていない「牛乳」とニキビの関係について解説します。

まとめ

・牛乳の飲みすぎはニキビが悪化する可能性がある
・特にスキムミルク(脱脂粉乳)に注意する

牛乳に気を付けよう!

牛乳を日常的に多量に摂取していると、ニキビが悪化します。
特に注意すべきなのがスキムミルク(脱脂粉乳)です。
ニキビと牛乳の関係は多数の臨床試験で報告されていますが、意外と知られていないように思います。


【ニキビと牛乳の関連についての論文の一例】

  • 約47,000人の女性ニキビ患者さんを対象としたアンケート調査において、牛乳および脱脂粉乳の摂取量とニキビの重症度が関連した 1)
  • 9~15歳の女性約6100人を対象とした3年間の前向き研究で、ニキビの有病率と全乳(脂肪分など無調整の牛乳)、脱脂粉乳、低脂肪乳の消費との間に正の関連性が見られた 2)
  • フランスにおけるWebベースのコホート研究(NutriNet-Santé study)の一環としてニキビと食生活について調査した結果、ニキビ症状のある方はニキビ症状のない方に比べて多くの牛乳を消費する傾向がみられた 3)

なぜ牛乳はニキビを悪化させるの?

乳製品にはインスリン様成長因子(IGF: Insulin-like growth factor)が含まれています。
IGFは、膵臓で産生されるインスリンによく似た構造や働きをもつ物質です。
IGFの血中濃度が上昇すると、最終的に皮脂を刺激してニキビが悪化すると考えられています。

それだけではなく、IGFは男性ホルモンのテストステロンの生成を引き起こしてニキビを悪化させます。

図 ニキビと食事の病態(文献 4) を元に改変して作図)

スキムミルク(脱脂粉乳)とは?

スキムミルク(脱脂粉乳)は、牛乳から脂肪分を取りのぞき、乾燥させたものです。
脂肪分を抜いてあるためカロリーは牛乳の半分ほどになりますが、タンパク質やカルシウムはほとんどがそのまま残っています。

このように書くと素晴らしい食品に思えますが、ニキビに関していえば全乳よりもスキムミルク(脱脂粉乳)の方がIGFを産生する成分が豊富に含まれており、ニキビをより悪化させると言われています。

乳製品との付き合い方

「牛乳はニキビの悪化因子にならない」とする反対の意見もあり、まだまだ根拠に乏しいと言えます。
そのため、いきなり「牛乳」や「脱脂粉乳」を完全除去しなくてもよいでしょう。
まずは牛乳を毎日2~3杯ほど摂取しているのであれば量を控える、また「脱脂粉乳」は好ましくないので「全乳」に変えてみるといったところから変えてみて、実際にご自身のニキビに影響するのか試してみるところから開始してはいかがでしょうか。

ニキビと牛乳について、新しい研究や結果がでてきたらまたお伝えしたいと思います。


参考文献

1) Adebamowo CA, Spiegelman D, Danby FW et al. J Am Acad Dermatol. 2005. 52: 207-14.
2) Adebamowo CA, Spiegelman D, Berkey CS et al. Dermatol Online J. 2006. 30;12: 1.
3) Penso L, Touvier M, Deschasaux M et al. JAMA Dermatol. 2020. 1;156: 854-862.
4) Baldwin H, Tan J. Am J Clin Dermatol. 2021. 22: 55-65.

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