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多汗

「ラピフォートワイプ」ワキ汗(原発性腋窩多汗症)の治療

ワキ汗(原発性腋窩多汗症)の治療薬「ラピフォートワイプ」をご紹介します。

【まとめ】ラピフォートワイプ(グリコピロニウム)

・ワキ汗(原発性腋窩多汗症)に対する抗コリン薬の外用薬
・診断基準を満たすことを確認し、その他の条件を満たした場合に処方をうけることができる

「原発性腋窩多汗症」の患者さんは国内で約530万人、経済的損失は年間3兆円を超すと推計されています1)
ワキ汗でお悩みの方、ぜひこの機会に皮膚科の受診をご検討ください。

原発性腋窩多汗症

「原発性腋窩多汗症」とは、腋窩(ワキ)に明らかな原因がないまま6カ月以上も過剰な発汗を認め、以下の6症状のうち2項目以上あてはまる場合に診断されます。

原発性腋窩多汗症の診断基準(Hornbergerらの診断基準)
  • 最初の症状がでるのが25歳以下であること
  • 左右両方で同じように発汗がみられること
  • 睡眠中は発汗が止まっていること
  • 1週間に1回以上多汗の症状がでること
  • 家族にも同じ疾患の患者さんがいること
  • わき汗によって日常生活に支障をきたすこと

ラピフォートワイプ(グリコピロニウム)


ラピフォートワイプは原発性腋窩多汗症(ワキ汗)の保険治療薬として2022年1月に厚生労働省より承認を受け、2022年5月より発売されました。
ワキの発汗は、交感神経から出るアセチルコリンという物質が汗腺に指令を与えて生じます。
原発性腋窩多汗症の患者さんは、この指令が激しく生じるためワキ汗が多量となります。
ラピフォートワイプはこの指令をブロックします。

ラピフォートワイプは、毎日の使用によって徐々に効果が感じられますので、継続使用が大切です。数日以内の比較的早期に効果を実感できる方もいらっしゃいます。

重症度評価(HDSS: Hyperhidrosis Disease Severity Scale)で3以上「発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある」の方以上に使用できます。
なお、閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿障害がある方はご使用できません。

HDSS(16歳以上用)
  • 1 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
  • 2 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
  • 3 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  • 4 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

ラピフォートワイプの主な副作用

主な副作用は、以下の通りです。

  • 口の渇き:唾液が出にくくなることがあります。医師にご相談ください。
  • かぶれ(接触皮膚炎):薬の塗布部位がかぶれて、赤くかゆくなることがあります。中断の上、医師にご相談ください。
  • 光をまぶしく感じる、目がかすむ:速やかに使用を中止し、回復するまでは車の運転や危険を伴う機械の操作は行わないでください。また医師にご相談ください。
  • 尿が出にくい、尿の勢いが弱くなる、尿が近くなる:中断の上、医師にご相談ください。
  • 体温調節の異常:涼しい場所に移動し、体を冷やすなど体温を下げ、水分・塩分を補給してください。速やかに医療機関を受診してください。

参考文献

1) Murota H et al. J Dermatol 48: 1482-1490, 2021

 

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