アトピー性皮膚炎の治療薬(生物学的製剤(抗体医薬品))をご紹介します。
「かゆみ」をターゲットにした治療薬です。
【まとめ】ミチーガ(ネモリズマブ)
・アトピー性皮膚炎の治療薬:生物学的製剤(抗体医薬品)
・IL-31の働きを抑えます
・一定の条件を満たした人(主に中等症以上の方でかゆみの強い方)に使用できます
・「かゆみ」をターゲットにした治療薬です
ミチーガ(ネモリズマブ)はアトピー性皮膚炎の治療薬(生物学的製剤(抗体医薬品))で、2018年に承認された「デュピクセント」に次いで2番目の抗体製剤です。
2022年5月に薬価収載、同年8月に発売になりました。
ミチーガ(ネモリズマブ)とは

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ミチーガは、ヒト化抗IL-31 受容体Aモノクローナル抗体製剤と呼ばれる注射薬です。
「かゆみ」を起こす生体物質はたくさん知られていますが、なかでもアトピー性皮膚炎の「かゆみ」に関与するIL-31(インターロイキン-31)をターゲットにしています。
インターロイキンとは、免疫担当細胞が産生する伝令物質の1種です。
同定された順に番号が付けられています(IL-31は、31番目に同定されたインターロイキン)。

投与可能な方
この薬は、ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の既存の治療を適切に行っても、十分な効果が得られない患者さんに使用できます。
投与できる年齢は6歳以上の小児から使用可能です。以前は13歳以上の患者さんのみでしたが、2024年3月に6歳~13歳未満の皮下注用30mgバイアルが承認され同年6月から発売されました。
投与対象となる患者さんは、かゆみや皮疹の重症度を確認する必要があります。
まずは診察にてご相談ください。
投与のスケジュール
投与間隔は4週間に1回皮下注射を行います。

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生物学的製剤(抗体医薬品)は、どうしても高額と感じる方が多いと思います。
自己負担額はこちらを参照ください。
他院にて導入済みの方で、当院にて処方を継続したい方へ
転居や、通院先が遠方などの理由で、当院にてミチーガの投与を継続したいという患者さんがおられるかと思います。当院でも処方を引継ぐことが可能です。その際は、前医の紹介状(情報提供書)を持参していただくようお願いい達します。
紹介状(情報提供書)には以下の項目を含めてもらうようにお願いいたします。ミチーガを初めて導入したときの適応要件で、保険の請求のために必須となります。導入された先生も、毎回、保険請求のときに記載されている内容ですのでお話すれば分かっていただける内容かと思います。紹介状(情報提供書)には時間がかかることがありますので、余裕をもって担当の先生にご相談ください。
- 前治療要件
- 導入直前・導入時の「そう痒VASまたはそう痒NRSの値」
- 導入時の「かゆみスコア」
- 導入時の「EASIスコア」
口頭での伝言や、上記の記載がない紹介状(情報提供書)の場合は継続することができません。スムーズな引継ぎのため、何卒よろしくお願いいたします。
一旦ミチーガを中止して、再度悪化したため再導入ご希望の場合、情報提供書は不要です。ご相談ください。