近年、選択肢が増えてきた「オーソライズド・ジェネリック」について解説します。
【まとめ】オーソライズド・ジェネリック(Authorized Generic: AG)について
・ジェネリック医薬品(後発品)は、「先発医薬品(新薬)」の特許が切れた後に、他の製薬会社から発売されるお薬。
・オーソライズド・ジェネリック(AG)は先発品と中身が全く同じ(ほぼ同じ)ジェネリック医薬品の新しい形
・「納得感」を持って選ぶことが大切
「後発品(ジェネリック医薬品)」はご存知の方も多いと思いますが、「オーソライズド・ジェネリック(AG)」は聞いたことがあるでしょうか?
後発品(ジェネリック医薬品)というと、「安くなるのは嬉しいけれど、効き目が弱かったらどうしよう」「中身が違うのではないか」と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
最近ではさらに「オーソライズド・ジェネリック(AG)」という選択肢も増えました。
そこで「オーソライズド・ジェネリック(AG)」について解説しました。
ジェネリック医薬品(後発品)とは?
まずはジェネリック医薬品について
ジェネリック医薬品は、最初に開発された「先発医薬品(新薬)」の特許が切れた後に、他の製薬会社から発売されるお薬です。
なぜ安く作れるのか
新薬の開発には、10年以上の歳月と数百億〜数千億円という莫大な費用がかかります。
ジェネリックは、新薬がすでに証明した「有効性」や「安全性」を利用して開発するため、開発コストを大幅に抑えることができます。
その結果、お薬代を先発品の約2割〜5割程度まで安く設定できるのです。
「オーソライズド・ジェネリック(AG)」という選択肢
「オーソライズド・ジェネリック(AG)」は聞いたことがありますか?直訳すると「公認された後発品」という意味です。2014年頃から日本でも発売されて、徐々に増えてきているジェネリック医薬品の一種です。
一般のジェネリックとの違い
一般のジェネリックは、有効成分こそ同じですが、薬を固める「添加物」や「コーティング剤」、あるいは「製造方法」が各社で異なります。 一方、AGは先発メーカーから設計図(レシピ)をそのまま譲り受けて作られます。
「中身が全く同じ(ほとんど同じ)なのに、値段だけ安い」という、患者さんにとって非常にメリットの大きいお薬です。皮膚科のお薬でも、アレルギーの飲み薬などでAGが発売されており、多くの患者さんに喜ばれています。
オーソライズド・ジェネリック(AG)の分類
「オーソライズド・ジェネリック(AG)」は、その中身の同一性によって一般的に「AG1」「AG2」「AG3」の3つに分類されています。通常のジェネリック医薬品(後発品)を含めて表で記載すると以下のようになります。
※表は横にスクロールしてご覧いただけます
| 有効成分 | 原薬 | 添加物 | 製法 | 製造工場 | 製造技術 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| AG1 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 |
| AG2 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 異なる | 異なる |
| AG3 | 同一 | 異なる | 同一 | 同一 | 異なる | 異なる |
| 一般的な後発品 | 同一 | 異なる | 異なる | 異なる | 異なる | 異なる |
【AG1】完全同一タイプ
原薬(お薬の主成分)だけでなく、お薬の形を形作る「添加物」や「製法」、さらには「製造工場や生産ライン」にいたるまで、すべて先発品と100%完全に同じものです。パッケージや錠剤に刻印されている名前が違うだけで、中身は先発品そのものです。
【AG2】同じ原薬で後発メーカーが製造
主成分(原薬)は先発品と全く同じですが、許諾を受けた後発医薬品メーカーが自社工場にて製造するタイプです。
【AG3】異なる原薬で同じ製法
先発医薬品と添加物や製法は同等ながら、異なる原薬を使い、許諾を得た後発医薬品メーカーが自社工場にて製造するタイプです。
このように、ひと口に「オーソライズド・ジェネリック(AG)」と言っても、その同一性のレベルには違いがあります。
「塗り薬(外用剤)」のジェネリックは注意が必要
皮膚科で特に注意したいのが「塗り薬(外用剤)」のジェネリックです。
塗り薬の場合、有効成分が同じでも、基剤(クリームや軟膏などの土台)が異なると、「塗り心地」や「伸びの良さ」が変わることがあります。
「ジェネリックに変えたら、少しベタつきが気になる」
「先発品の方がお肌に馴染む気がする」
こうした感覚は、治療を継続する上でとても大切です。
一方で、「オーソライズド・ジェネリック(AG)」では、このような問題が生じにくいと考えています。院長は、外用剤こそ「オーソライズド・ジェネリック(AG)」を推進してもらいたいと思っています。
経済的なメリットを考える
アトピー性皮膚炎やじん麻疹など、何年も付き合っていく疾患の場合、1回あたりの差額は小さくても、数年単位で見れば数万円、数十万円という大きな差になります。ジェネリックを賢く利用して、定期的な通院や治療を無理なく続けていきましょう。
