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皮膚の病気(その他)

「デュピクセント」結節性痒疹の治療

今回は結節性痒疹の治療薬である「デュピクセント」をご紹介します。

【まとめ】デュピクセント(デュピルマブ)

・結節性痒疹の治療薬:生物学的製剤(抗体医薬品)
・IL-4とIL-13の働きを抑えます
・アトピー性皮膚炎、喘息などでも用いられています

2023年6月、結節性痒疹の患者さんにデュピクセントが使えるようになりました。
これは画期的なことで、今まで結節性痒疹の患者さんはなかなか良い治療がなく難渋する病気でした。

結節性痒疹とは?

結節性痒疹は、強いかゆみのある赤みがかったドーム状の硬い盛り上がり(結節性病変)が皮膚にできる、炎症性の皮膚疾患です。
かゆみがとても強いのが特徴です。

デュピクセント(デュピルマブ)とは


デュピクセントは、近年の創薬の発展によって作られるようになった生物学的製剤(抗体医薬品)です。
2型炎症のサイトカインである「IL-4」と「IL-13」の働きを抑えます。
皮下に注射するお薬です。

デュピクセント 作用機序


デュピクセントは、2018年から「アトピー性皮膚炎」に使用されており、その後も「気管支喘息」「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎」でも追加承認されております。
つまり既に5年間は保険診療として使用されています。
そのため、一定の使用経験が蓄積されたお薬です。
私自身、アトピー性皮膚炎の患者さんに既に何十例と使用している薬剤で、その有効性を実感してきました。

デュピクセントは結節性痒疹患者さんを対象とした国際臨床試験において高い効果を認めました(臨床試験の結果の解釈は専門的知識が必要であり注意が必要であるため、ここでは具体的な数値を記載しません)。

投与可能な方

  • 既存治療で難治な結節性痒疹の患者さん
  • 成人(保険治療薬の成人は15歳以上のことを指します)

臨床試験に組み入れられた患者さんに準じた重症度以上の方が主な対象となります。その他にも投与がふさわしくないケースもあるため、使用にあたっては主治医とご相談ください。

導入希望の方へ

診察時に医師に申し出てください。

投与のスケジュール

投与間隔は2週間に1回皮下注射を行います。
初回のみ2本となりますが、それ以降は1本です。


ご自宅で自己注射が可能ですが、はじめの数回は当院にて打ち方の指導をいたします。

医療費助成制度

お薬の費用は高いと感じられるかもしれませんが、医療費の助成制度を利用できることも多ので、ご自身が当てはまるかお調べください。
自己負担額はこちらを参照ください。

高額医療制度

年収によっては高額医療制度を利用できます。高額医療制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う1か月分(歴月:1日から末日まで)の医療費で上限額を超えた場合、その超えた額が支給されます。
上限は年収により変わります。

付加給付

ご加入の医療保険(保険者)によっては独自の「付加給付」があり、国が定めるよりも手厚い医療費助成を行っている場合があります。
詳しくはご加入の健康保険証に記載されている保険者(健康保険組合等)にご確認ください。

その他

自治体によって子供への医療費補助制度(お問い合わせ先:お住まいの市区町村)や、ひとり親家庭への医療費補助制度(お問い合わせ先:お住まいの市区町村)、大学などの学校によっては学生などへの医療費補助制度(お問い合わせ先:学生課など)が使用できる場合がございます。

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