掌蹠膿疱症の治療薬である「オテズラ」をご紹介します。
【まとめ】オテズラ(アプレミラスト)
・掌蹠膿疱症の治療薬:PDE4阻害薬の内服薬
・PDE4の働きを抑制して炎症を改善します
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症とは、手のヒラ・足のウラに小さい膿疱(うみ)、紅斑を繰り返す皮膚の病気です。
膿疱(うみ)の大きさは、だいたい1~5mmくらいで、その周囲は炎症のため赤くなります。膿疱(うみ)ができる部位にかゆみがみられる場合もあります。
治療は軟膏、光線治療(紫外線療法)などがあります。
オテズラ(アプレミラスト)とは
オテズラ(アプレミラスト)は、局所療法で効果不十分な掌蹠膿疱症に用いられる内服薬です。2017年3月に「尋常性乾癬」の治療薬として販売されたオテズラが、2025年3月に「局所療法で効果不十分な掌蹠膿疱症」 に適応追加となりました。

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オテズラは、PDE4阻害剤という種類の内服薬です。
PDE4は細胞内で炎症を引き起こす物質の産生に係る蛋白質です。
PDE4の働きを抑制することで、炎症を引き起こす物質の産生が抑えられて、症状が改善します。
投与のスケジュール
最初の3週間

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最初の2週間は、2週間分のお薬が入っている「スターターパック」の表記に従って服用します。
①最初の日は、10mgを朝に1回服用します。
②2日目から6日目までは、毎日10mgずつお薬の量を増やしながら、1日2回(朝・夕)服用します。少しずつお薬の量を増やすことで、飲み
始めの頃におこりやすい、吐き気や下痢、頭痛などの発現を抑えます。
③6日目以降は、1回30mgを1日2回(朝・夕)服用します。
3週目以降

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1回30mgを1日2回(朝・夕)服用します。
※ 腎機能障害のある方、下痢などの消化器症状が強く出た方はご相談ください。投与スケジュールを変更致します。
※ 妊娠または妊娠している可能性がある女性の方には投与できません。妊娠可能な女性の方は、服用時には避妊が必要です。
※ 授乳中の方は禁忌ではありませんが、動物実験では薬剤が母乳中へ移行すると確認されております。
オテズラの主な副作用
主な副作用は、以下の通りです。
- 吐き気・下痢:ほとんどは飲み始めてから2週間以内に現れ、4週間以内におさまります。一時的にお薬を飲むのを中断することもあります。まれながら重度の下痢が現れることがあります。
- 頭痛:吐き気や下痢と同様に、ほとんどは4週間以内におさまります。一時的に中断を検討することがあります。
吐き気や下痢などの消化器症状、頭痛などの副作用が強く出た場合には、医師に相談ください。