酒さ（しゅさ）について

赤ら顔でご相談いたくケースがあります。なかでも「酒さ（しゅさ）」は治療に難渋する疾患です。
「酒さ」は慢性的な皮膚疾患で、主に顔面に赤みを生じ、ときに丘疹などを伴います。症状は個人によって異なりますが、生活の質に大きな影響を与えることがあります。
「酒さ」の症状を管理するためには、まずその悪化因子を理解することが重要です。
ここでは、酒さを悪化させる主な因子や、治療について解説します。

酒さ（しゅさ）とは

酒さ（しゅさ）は、主に顔面に潮紅（赤み）やぷつぷつした丘疹を引き起こす慢性の皮膚疾患です。特に鼻や頬に赤みが出ることが多く、進行すると皮膚の肥厚や血管の拡張が見られることがあります。
酒さは一般的に成人に見られます。特に30代から50代の女性に多い傾向があります。

酒さの正確な原因はまだ分かっていません。現在のところ、遺伝的要因、免疫系の異常（特に自然免疫）、環境要因などが関与していると考えられています。
酒さ（しゅさ）は「酒」という字が使われていますが、アルコール（お酒）を飲むから発症するわけではありません。ただし、後述するように、アルコール（お酒）は血管が拡張することで、酒さの症状が悪化する要因として知られています。

酒さの悪化因子

酒さの悪化因子として多く知られています。以下は避ける、日常生活で気を付けることが重要です。

酒さの治療、適した化粧品

外用薬：ロゼックスゲル

ロゼックスゲル（一般名：メトロニダゾール）には、抗菌・抗炎症作用があります。主に赤みや丘疹や膿疱を軽減する効果があります。
使用方法は通常、1日2回外用します。

ロゼックスゲルは2015年5月「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」に対して保険適応になりました。さらに、2022年5月に「酒さ」に対しても効能追加となりましたし。
ロゼックスが保険適応になる以前から、メトロニダゾールの外用薬は自家製剤として長らく使用されておりましたので、そのことを考えると待望の保険適応薬となりました。

アゼライン

化粧品の分類となりますが、アゼラインという成分が酒さにも効果的です。
当院では、アゼライン酸高濃度配合クリーム（DRX AZAクリア）を取り扱っています。
医療機関専売のクリームで、十分な濃度が配合されています。
ご相談ください。

現在、「酒さ」という病名で明確に保険適応になっている薬剤はロゼックスのみとなります。
しかしながら、ロゼックス以外にも皮膚科医は色々な工夫をおこない治療を行っています。お悩みの方は診察にてご相談ください。