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乾癬

乾癬の治療「ソーティクツ錠」

「乾癬」というと日本人にはなじみが少ないかもしれませんが、重症者は全身に皮疹が広がり、生活面にも大きな影響があります。
乾癬の治療の発展は、ここ10年目覚ましいものがあります。
今回は2022年に発売されたソーティクツについてご紹介します。

乾癬(かんせん)とは?

乾癬(かんせん, psoriasis)は免疫の異常により、慢性に皮膚の炎症を繰り返す病気です。
一般的には、皮膚に赤い病変が生じて、その上にガサガサしたフケがつきます。
日本人は欧米人に比べて乾癬の患者さんが少ないのですが、近年は食習慣が変化してきたため患者さんの数が増加傾向にあります。

病名が『かんせん』のためややこしいですが、感染症ではありません。つまり、人にうつることはありません

ソーティクツ錠(デュークラバシチニブ)とは?

2022年11月に日本で発売開始した「ソーティクツ錠(デュークラバシチニブ)」。
世界初のTYK2阻害薬です。

チロシンキナーゼ2(TYK2)はヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーに属するチロシンキナーゼの一種です。
乾癬の炎症に関わるIL-23、IL-12、Ⅰ型IFNなどのサイトカインの受容体に会合し、その下流の細胞内シグナル伝達を担っています。
ソーティクツは、このTYK2の免疫経路を阻害します。

ソーティクツの対象患者さん

ソーティクツは錠剤で、成人であれば1日1錠を内服します。
既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症に対して使用できます。
既存治療というのは、乾癬の治療で使用される外用薬、紫外線療法、他の内服薬のことです。
ソーティクツの処方については病歴や診察にて対象となるか確認の上で処方いたします。

主な副作用は上気道炎、単純ヘルペス、帯状疱疹、口腔潰瘍、毛嚢炎などですが、その頻度は少なく比較的安全性が高いと考えられています。
乾癬の内服治療薬である「オテズラ」で生じるような下痢などの胃腸障害もほぼ起こりません。
しかしながら、現在のところ学会の指針に沿って定期的に感染症などのチェックを行いながら使用しなければなりません。

なお、この薬を使用している間は生ワクチン(BCG、麻疹(はしか)、風疹(ふうしん)、麻疹・風疹混合(MR)、水痘(みずぼうそう)、おたふく)の接種はできません。
不活化ワクチンは問題なく接種できます。

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