アクセス
ホーム
サイトマップ
オンライン順番予約

皮膚腫瘍

粉瘤の手術について

現在、当院の皮膚腫瘍の手術の中で最も多いのが「粉瘤」です。
粉瘤は炎症を起こしていない時期と、炎症を起こしている時期では対応が異なります。
今回は炎症を起こしていない粉瘤の2つの手術方法(術式)について説明いたします。

【まとめ】粉瘤の切除

炎症をおこしていない粉瘤の切除法:2つの術式がある。
ㅤ① 紡錘形切除
ㅤ② くり抜き法(臍抜き法)
当院では①を基本としているが、状対に応じて柔軟に対応している。

粉瘤(ふんりゅう)とは?

皮膚の下に袋状の構造物ができたものです。
内部には、本来は剥がれ落ちていくはずの垢(アカ)や、脂腺からでた脂が詰まっています。
中央に開口部がある方とない方がいます。
周囲から押すと、臭くてドロっとした粥状の物質が開口部より出てくることがあり、患者さんによっては「脂肪がでてきた」と言われる方が多いですが、実際は脂肪ではなくて主に垢です。

中身を押し出してしぼんだとしても、皮膚の袋の構造が残るので、また徐々に垢が貯まって大きくなってきます。
根本的な治療は切除となります。

炎症を起こしていない粉瘤の切除方法は、一般的に以下の2つの手術方法(術式)があります。

① 紡錘形切除(スタンダードな切除法)

最も一般的な術式です。
当院では炎症がなければ「紡錘形切除」を第一選択の術式としています。
状態・大きさ・部位などを考え「② くり抜き法」を行うこともあります。不明な点があれば、医師にご確認ください。

腫瘍の大きさに合わせて、紡錘形(木の葉の形)に切開いたします。
粉瘤の壁を見つけて、壁に沿って袋状の腫瘍を丁寧に摘出します。

欠損部を縫合して創を閉じます。
通常の大きさであれば、内部を縫合して、表面を縫合して2層で縫います

表面からみると、縫合部は以下のようになります。
表面の糸は1~2週間を目安に抜糸いたします。

② くり抜き法(臍抜き法)

腫瘍部位に小さな穴をあけて、内容物(貯留していたアカ・皮脂)を出します。
その後に小さな穴から腫瘍の壁を摘出します。

腫瘍の壁をできるだけ、丁寧に剥離して摘出します。

摘出後は、自然に創部が閉じるまで待つか、縫合します。

※壁が全摘できないことがあります。そのため、紡錘形切除(①)に比べて再発率が高い(10~15%程度)(文献参考値)です。

まとめ

粉瘤は一般的な皮膚腫瘍です。きちんとした研修施設で学べば、粉瘤の切除を経験しない皮膚科医はいないでしょう。
その一方で、クリニックにおいては皮膚腫瘍の切除に消極的な皮膚科クリニックと、当院のように切除希望の粉瘤については出来る限り対応している皮膚科クリニックに分かれます。
粉瘤についてお悩みがあれば、当院にぜひご相談ください。


※ クリニックで手術できない皮膚腫瘍は、地域の中核病院や大学病院へご紹介することもございますので、あらかじめご了承ください。

関連記事

最近の記事

  1. 粉瘤の手術について

  2. 酒さ(しゅさ)について

  3. 院長の論文が表彰されました