しいたけ皮膚炎
【しいたけ皮膚炎、読み方:しいたけ-ひふえん】
しいたけ皮膚炎は、生しいたけや加熱不十分なしいたけを食べた後に発症する皮膚炎です。
数時間から数日後に、強いかゆみを伴う線状の赤い紅斑が体幹や四肢に出現するのが特徴です。
掻いた部分に沿って発疹が強調されるため、患者さんは「ひっかき傷のような赤い線が急に出てきた」と訴えることが多いです。
1970年代に日本で初めて報告 1) されました。
乾燥しいたけや戻し汁でも発症することがあり、必ずしも「生しいたけ」だけが原因ではありません。
蕁麻疹、ブレオマイシンの薬疹、皮膚筋炎の皮疹などが鑑別となります。
・好発部位:体幹・四肢
・症状:線状の赤い紅斑が突然出現する
・引っ掻いた部位に一致して皮疹が出現
・自覚症状:強いかゆみを伴う
しいたけ皮膚炎の原因
原因は完全には解明されていませんが、しいたけに含まれるレンチナン(β-グルカンの一種)やチロシン関連物質が免疫反応を引き起こす可能性が指摘されています。
しいたけ皮膚炎の治療
しいたけ皮膚炎は命に関わる病気ではなく、適切な治療で数日〜1週間程度で改善します。抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬が用いられます。
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参考文献
1) 中村雄彦. 臨床皮膚科 31, 65-68. 1977
