結節性痒疹の治療薬(生物学的製剤(抗体医薬品))をご紹介します。
【まとめ】ミチーガ(ネモリズマブ)
・結節性痒疹の注射の治療薬:生物学的製剤(抗体医薬品)
・IL-31の働きを抑えます
・アトピー性皮膚炎でも用いられています
結節性痒疹とは?
結節性痒疹は、強いかゆみのある赤みがかったドーム状の硬い盛り上がり(結節性病変)が皮膚にできる、炎症性の皮膚疾患です。
かゆみがとても強いのが特徴です。
ミチーガ(ネモリズマブ)とは
ミチーガ(ネモリズマブ)は2022年8月からアトピー性皮膚炎の治療薬(生物学的製剤(抗体医薬品))として使用されてきた薬剤です。そして2024年6月に結節性痒疹の適応追加となりました。

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ミチーガは、ヒト化抗IL-31 受容体Aモノクローナル抗体製剤と呼ばれる注射薬です。
結節性痒疹の盛り上がり(結節)には「かゆみ」を生じる物質(IL-31、IL-4、IL-13などの信号(サイトカインと呼ばれる物質))がたくさん発現しています。ミチーガは結節性痒疹のIL-31(インターロイキン-31)をターゲットにした薬剤です。
インターロイキンとは、免疫担当細胞が産生する伝令物質の1種です。
同定された順に番号が付けられています(IL-31は、31番目に同定されたインターロイキン)。
投与可能な方
この薬は、ステロイド外用剤などの既存の治療を適切に行っても、十分な効果が得られない患者さんに使用できます。
投与できる年齢は13歳以上から使用可能です。
まずは診察にてご相談ください。
投与のスケジュール
投与間隔は4週間に1回皮下注射を行います。

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生物学的製剤(抗体医薬品)は、どうしても高額と感じる方が多いと思います。
自己負担額はこちらを参照ください。
ミチーガの主な副作用
主な副作用は、以下の通りです。
- 注射部位反応:注射をした部位に発疹、腫れ、かゆみなどの症状を生じることがあります。
- 皮膚症状の悪化:ミチーガの治療中に、浮腫性の紅斑、湿疹などの皮膚症状があらわれる場合があります。症状が生じた場合には受診にてご相談ください。
その他、重篤な副作用としてアナフィラキシーを起こす可能性がありますが頻度は稀です。
他院にて導入済みの方で、当院にて処方を継続したい方へ
転居や、通院先が遠方などの理由で、当院にてミチーガの投与を継続したいという患者さんがおられるかと思います。当院でも処方を引継ぐことが可能です。その際は、可能な限り前医の紹介状(情報提供書)を持参していただくようお願いい達します。