皮膚科で処方されるステロイド外用薬のひとつ 「ダイアコート」 について解説いたします。
【注意】 記載内容は原則の解説です。実際の外用は、診察に基づいた医師の判断を優先してください。
【まとめ】ダイアコート
・主成分「ジフロラゾン酢酸エステル」
・ステロイド外用薬の1つ
・上から1番目に強いランク(Ⅰ群)
・軟膏、クリームの2種類がある
ダイアコートとは
ダイアコートは先発品の商品名です。主な有効成分は「ジフロラゾン酢酸エステル(Diflorasone Diacetate)」です。ステロイドの一種で、グルココルチコイド受容体に結合し、皮膚の炎症を抑える作用を発揮します。
赤み、かゆみ、腫れなどを改善し、患者さんの生活の質を大きく向上させます。

ステロイド外用薬には強さのランクがあり、ダイアコートは 5段階のうち「Ⅰ群:ストロンゲスト」 に分類されます。
直訳すれば「最も強い」ランクということになります。
“強さ”のランクにとらわれないで!
ステロイド外用薬には「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」など、“強さ”を示すランクが表示されています。
しかし、このランクは必ずしも実際の効果を正確に表すものではありません。
同じ薬でも、塗る部位によって効き方が変わります。たとえば「強め」とされる薬でも、手足の湿疹では十分に効果があらわれないことがありますし、逆に顔の湿疹では強力に作用してしまうこともあります。
また、病気の種類によっても必要な強さは異なります。
強めの薬を使わないと改善しにくい疾患もあれば、弱めの薬でも十分に効果が得られる場合もあります。
当院では、薬の名前やランクだけにとらわれず、患者さんの症状や塗布する部位を丁寧に見極めて適した薬を選んでいます。
名称が類似した薬剤に注意
「ジフロラゾン酢酸エステル」と似た名称がつく外用薬があります。
たとえば、
・「ジフルコルトロン吉草酸エステル(ボアラ)」
です。
名前が似ているうえ、強さのランクも違うので注意が必要です。
さらに、2005年以降に発売された後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、
『一般的名称 + 剤形 + 含量 + 会社名(屋号)』
という形式で表記されています。
そのため、一般名称が長いステロイド外用薬では、薬の名前が複雑になり、間違えやすいことがあります。
ダイアコートの種類
ダイアコートには 軟膏、クリーム の2種類があります。
・軟膏:油分が多く、乾燥してカサカサした皮膚に適する
・クリーム:べたつきが少なく、広範囲に塗りやすい
なお、ダイアコートクリームはO/W(水中油型)のクリーム剤です。
ダイアコートを使用する主な疾患
ダイアコートは以下のような皮膚疾患に用いられます。
・湿疹、皮膚炎:アトピー性皮膚炎、かぶれ(接触皮膚炎)、脂漏性皮膚炎、虫刺されなど
・乾癬、掌蹠膿疱症など慢性炎症皮膚疾患
・ケロイド、肥厚性瘢痕
・円形脱毛症
・水疱症(天疱瘡群、水疱性類天疱瘡など)
・薬疹、中毒疹
ダイアコートの主な副作用
ダイアコートには、ステロイド外用薬で起こる以下のような副作用が認められます。長期、広範囲に使用する場合は、医師の指示に従ってください。
・皮膚の萎縮(薄くなる)
・毛細血管の拡張
・ニキビのような皮疹、毛嚢炎
・感染症の悪化(細菌・真菌・ウイルス)
ダイアコートの塗る量の目安
ダイアコートの塗る量の目安は、単独のチューブで処方されている場合、「FTU(Finger Tip Unit)」が参考になります。
保湿等と混合されている場合には「ティッシュが付着するくらい」「軽くテカるくらい」が目安となります。

ステロイド外用薬については、以下のページをご参照ください。