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皮膚科で処方される抗ヒスタミン薬のひとつ 「タリオン」 について解説いたします。
【注意】 記載内容は原則の解説です。実際の服用は、診察に基づいた医師の判断を優先してください。

【まとめ】タリオン

・主成分「ベポタスチンベシル酸塩」
・車の運転は「禁止」ではないが、眠気に対する注意が必要である
・第2世代抗ヒスタミン薬の1つ
・効果の発現が早く、効き目と眠気の少なさのバランスが良い
・1日2回の服用(朝・就寝前)

タリオンとはどのようなお薬ですか?

タリオンの画像

タリオンは、2000年に発売された「第2世代抗ヒスタミン薬」に分類される抗アレルギー薬です。
ベポタスチンベシル酸塩が主成分です。

私たちの体には「ヒスタミン」という物質があります。
これは体内で炎症やアレルギー反応を起こすきっかけになる物質です。
花粉やハウスダストなどに反応すると、ヒスタミンが放出され、鼻水・くしゃみ・かゆみ・赤みなどの症状が出ます。
皮膚においては、ヒスタミンは「かゆみ」を引き起こす代表的な物質です。
このヒスタミンの働きをブロックする薬を「抗ヒスタミン薬」といいます。

タリオンの特徴

効果の早さとバランスの良さ

タリオンの大きな特徴は、飲んでから効果が現れるまでの時間が比較的早い点です。「今、かゆくてつらい」という時に頼りになります。また、しっかりとしたかゆみ止め効果がありながら、古いお薬に見られがちな口の渇きや強い眠気といった副作用が抑えられており、非常にバランスの良い使い勝手のお薬です。

1日2回の服用でしっかりコントロール

通常、朝と就寝前の1日2回服用します。日中と夜間の症状をコンスタントに抑え込むことができます。

水なしで飲めるOD錠

タリオンには、口の中でサッと溶ける「OD錠(口腔内崩壊錠)」があります。お水が手元にない時や外出先でもすぐに飲めるため、大変便利です。

タリオンが処方される疾患

主に以下のような疾患に用いられます。

・アレルギー性鼻炎
・じん麻疹
・皮膚疾患に伴うかゆみ(湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症)

タリオンの服用方法

通常、成人の方では「1回10mgを1日2回」服用します。
症状に応じて、医師の判断で量を調整することがあります。

小児

タリオンは、7歳以上のお子さまから適応となります。
一般的な用量は以下の通りですが、症状や体重によって調整いたします。(※小さなお子さまでも飲みやすい、細粒のタイプもあります)

・7歳以上:通常、1回10mgを1日2回服用します。

妊娠中・授乳中

妊娠中:添付文書上「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とされています。
授乳中:添付文書上「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること」とされています。
使用は医師の判断のもとでお願いいたします。

タリオンの名前の由来

ギリシア神話の美の三女神の一人 Thalia〔花(=鼻)の盛り〕に由来します。

タリオンの眠気に関するデータ(運転について)

タリオンは比較的眠気が出にくいお薬ですが、個人差があり、全く眠くならないわけではありません。
添付文書上には「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること」と記載されています。
「運転禁止」と明記されている一部の抗ヒスタミン薬よりは制限が緩やかですが、ご自身の体調の変化(特に初めて服用する際)には十分に注意してください。

タリオンの「処方薬」と「市販薬(スイッチOTC)」の違い

現在、タリオンは薬局やドラッグストアで購入できる「市販薬(タリオンARなど)」としても販売されています。有効成分自体は同じですが、医療機関で処方を受ける「処方薬」には、以下のようなメリットがあります。

用量調整の選択肢と、他剤との併用

市販のタリオン(ベポタスチンベシル酸塩)は、1回10mgを1日2回服用するスタイルに固定されています。しかし、重症のじんま疹などの場合、標準量ではかゆみが止まらないことも少なくありません。保険診療では、タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)は症状に応じて増量することが可能です。
※ 医師の適切な診断・指導のもとでのみ行われるため、ご自身の判断で増量を行わないでください。

そして、医療機関では、医師の診察やガイドラインに基づき、症状に合わせて用法・用量を調整したり、他のお薬と組み合わせたりする「オーダーメイドの治療プラン」を立てることが可能です。

経済的なメリット(保険適用)

処方薬は健康保険が適用されるため、窓口での負担額を大幅に抑えられる場合があります。


抗ヒスタミン薬については、以下のページをご参照ください。

抗ヒスタミン薬

この記事の執筆・監修:
上田 喬士
東小金井うえだ皮ふ科 院長 、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 / 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医、医学博士