【まとめ】ボチシート
・「亜鉛華軟膏」が、あらかじめ専用の布に均一に塗られている貼り薬
・ご自身でガーゼに軟膏を分厚く塗る手間が省ける
・おむつかぶれ、ジュクジュクした部位などに用いる
ボチシートはどのようなお薬ですか?
ひと言で言えば、「最初から亜鉛華軟膏がたっぷりと均一に塗られている、シート状の貼り薬」です。
専用の布(リント布など)の片面に、皮膚の炎症を鎮めてジュクジュクした汁を吸い取る「酸化亜鉛」を含んだ軟膏が、最適な厚みで隙間なく伸ばされています。
ご自身でチューブから軟膏を出し、ガーゼに塗る手間が一切かかりません。
ボチシートの3つの大きなメリット
当院がボチシートを処方するのには、患者さんの処置の負担を減らす以外にも、医学的なメリットがあるからです。
常に「最適な厚み」で治療ができる
軟膏をガーゼに塗って貼る治療(密封療法)において一番大切なのは、お薬の「厚み」です。ボチシートは、工場でムラなく均一に十分な厚さで軟膏が塗られているため、どなたが貼っても、プロが行ったような確実な治療効果が得られます。
傷口にくっつきにくく、剥がす時の痛みが少ない
普通のガーゼをジュクジュクした傷口に直接当てると、乾いた時に皮膚に張り付いてしまい、剥がす時に激しい痛みを伴ったり、治りかけた皮膚を再び剥がしてしまったりすることがあります。ボチシートは分厚い軟膏の層がクッションになるため、傷口に直接くっつきにくく、優しく保護してくれます。
物理的なバリアとして「掻きむしり」を防ぐ
厚みのある布と軟膏が、無意識の掻きむしりや衣服の摩擦から、弱った皮膚を強固に守ります。
使い方
患部の大きさに合わせてハサミでボチシートを切り、保護フィルムを剥がして、お薬の面を患部にピタッと当てます。そのままでは剥がれてしまうため、上から医療用のテープやネット包帯などでズレないように固定してください。
ボチシートの名前の由来
かつてホウ酸亜鉛華軟膏を「ボチ」と俗称していました。その呼び名が、今の「亜鉛華軟膏」でも慣習的に引き継がれて「ボチ」と呼称することがあります。ボチシートは、亜鉛華軟膏(ボチ)をシート状に延ばした貼付剤のためボチシートと命名されました。
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Q ボチシートにはステロイドが含まれていますか?
いいえ、ボチシートに含まれているのは「亜鉛華軟膏」であり、ステロイドは含まれていません。そのため、ステロイドのような直接的で強い抗炎症作用はありません。皮膚を優しく保護し、浸出液を抑えることで、治癒を助ける安全性の高いお薬です。
Q 1日に何回くらい貼り替えればいいですか?
基本的には1日1〜2回(朝と、夜の入浴後など)の貼り替えます。ただし、患部からの浸出液が多くて、シートの表面まで染み出してきたり、夏場で汗をかいたりした場合は、早めに新しいものに交換して清潔を保ってください。
Q 他の塗り薬(ステロイドなど)と一緒に使うことはできますか?
はい、可能です。当院では、炎症が強い患部に先にステロイドの塗り薬を塗り、その上からフタをするようにボチシートを貼っていただく(密封療法)といった治療をご提案することがあります。具体的な使い方は、診察時にお伝えいたします。ご自身の判断では行わず、必ず医師の指示に従ってご使用ください。
この記事の執筆・監修:
上田 喬士
東小金井うえだ皮ふ科 院長 、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 / 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医、医学博士