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【まとめ】ラミシール

・一般名: テルビナフィン塩酸塩
・外用薬と内服薬がある

ラミシールはどのようなお薬ですか?

水虫・たむしの原因は、「白癬菌(はくせんきん)」というカビの仲間がお肌の表面(角質)に住み着くことです。 ラミシールの有効成分(テルビナフィン塩酸塩)はアリルアミン系(Allylamines)の抗真菌薬で、このしぶとい白癬菌に対して強力な抗真菌作用を発揮して、真菌を実際に死滅させます。

具体的には、カビの細胞を包み込んで守っている「細胞膜(バリア)」が作られるのを邪魔する働き(機序)を持っています。バリアを作れなくなった白癬菌は生きていくことができず、結果としてカビそのものをしっかりと退治してくれるのです。

ラミシールには「外用薬(塗り薬)」と「内服薬(飲み薬)」があります。それぞれの特徴について解説いたします。

ラミシールの外用薬の種類

ラミシールクリームの画像

ラミシールには、患者さんの症状や塗る部位に合わせて、いくつかのお薬の形(剤形)が用意されています。当院では、お肌の状態を丁寧に診察し、最適なものを処方しています。

・クリーム:適度な保湿力があり、伸びが良いため、最も幅広く処方されるタイプです。足の裏全体がカサカサしている水虫や、体のたむしなどに適しています。

・外用液:サラッとした液体で、皮膚への浸透力が高いのが特徴です。乾燥して厚くなった部分や、毛が生えている部位に使いやすいお薬です。ただし、アルコール分が含まれているため、ジュクジュクとただれている部分や、掻きこわした傷口に塗ると「強いヒリヒリ感」が出てしまうため注意が必要です。
※ 先発品の「ラミシール®外用液1%」は2026年1月に販売中止のアナウンスが行われました。2026年9月には在庫消尽予定です。

ラミシールクリームの塗る量の目安

水虫治療の最大のコツは、「症状が出ている部分だけでなく、その周囲にも少し広めに塗ること」です。目に見えない白癬菌が周囲に潜んでいることが多いため、例えば足の指の間であれば、足の裏全体から足の指の間・背面、爪周り、足の側面、アキレス腱の周囲まで、広範囲にしっかりと塗り広げましょう。
ラミシールクリーム(チューブタイプの塗り薬)の場合、指の第一関節まで出した量(1FTU=約0.5g)が、片足分の目安となります。

足白癬の塗り薬の塗布範囲

気をつけていただきたい「お薬によるかぶれ」

ラミシールを使用する上で、皮膚科医として患者さんに一番気をつけていただきたいのが「お薬によるかぶれ(接触皮膚炎)」です。

非常に効果の高いお薬ですが、ご自身の体質やお肌のバリア機能が弱っている時などに、お薬の成分そのものが刺激となり、かぶれ(接触皮膚炎)を起こしてしまうことがあります。

「ラミシールを塗り始めてから、かえって赤く腫れてきた」「ジュクジュクして、かゆみがひどくなった」という場合、多くの方は「水虫がさらに悪化したんだ」と勘違いされ、より一生懸命にお薬を擦り込んでしまう傾向があります。しかし、これは水虫が悪化したのではなく、「薬にかぶれているサイン」である可能性が非常に高いのです。

ラミシールの内服薬

ラミシール錠の画像

ラミシール錠は、1日1回、毎日決まった時間に服用します。主に「爪水虫(爪白癬)」の治療に用います。

治療期間の目安は、爪水虫の場合で約3ヶ月から半年程度、場合によってはそれ以上になることもあります。

「そんなに長く飲み続けるの?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれには理由があります。 お薬の力で菌が死滅しても、すでに白く濁ったり分厚くなったりしてしまった古い爪が、すぐに元の綺麗な状態に戻るわけではないからです。お薬の成分を含んだ「健康な新しい爪」が根元からじわじわと伸びてきて、傷んだ古い爪と完全に押し出されて生え変わるのを待つ必要があるため、どうしてもこの期間がかかってしまいます。 そのため、見た目の変化がすぐに出なくても自己判断で途中でやめてしまわず、根気よく飲み続けることが完治への一番の近道となります。

ラミシールの名前の由来

ラミシールのインタビューフォームには、由来は特になしと記載されています。

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外用薬のQ&A

Q 1日に何回塗ればよいですか?

1日1回です。入浴後などに習慣化して塗ると忘れにくいです。

Q 足の指の間がかゆいのですが、そこだけ塗ればよいですか?

カビ(真菌)は症状が出ている範囲よりも広く潜んでいることがほとんどです。足の指の間にしか症状がない場合でも、足の指すべてと足の裏全体、さらにはアキレス腱のあたりまで、広めにしっかりと塗り広げるのが完治への大切なポイントです。

Q 水虫の薬が残っているのですが塗ってもいいですか?

チューブなどに記載されている使用期限は、あくまで「未開封」の状態を前提としています。一度開封したお薬は、空気や指先に触れることで成分が劣化したり、中に細菌が入り込んだりしやすくなります。
開封後の使用期限に明確な基準はありませんが、一般的には「6か月以内」を目安に使い切るのが望ましいとされています。もちろん、6か月以内であっても、お薬の変色、分離、臭いの変化などにお気づきの場合は、直ちに使用を中止してください。
また、以前と同じようなかゆみや赤みであっても、水虫ではなく全く別の皮膚トラブル(湿疹など)を発症しているケースもあります。水虫ではない皮膚に水虫のお薬を塗ると、かえって症状が悪化してしまう恐れがあります。安全で確実な治療のためにも、ご自身の判断で残りのお薬を塗る前に、皮膚科専門医のクリニックを再度受診してください。

Q 塗った部分が赤く腫れたり、ヒリヒリしたりしてきました。

まれにお薬の成分が合わず、「かぶれ(接触皮膚炎)」を起こす方がいらっしゃいます。赤みや強い刺激を感じた場合は、無理に塗り続けず一旦お薬をお休みし、なるべく早く当院へご相談ください。

Q 爪のみずむしにもラミシールクリームを塗ってよいですか?

爪みずむし(爪白癬)の場合、通常のラミシールクリームでは硬い爪の奥まで成分が十分に浸透しません。別に治療法がございますので、ご相談ください。

Q 塗る前に、患部は石鹸でゴシゴシ洗ったほうがいいですか?

患部を清潔にすることは大切ですが、強く擦るのは絶対におやめください。強く擦ると皮膚のバリア機能が壊れ、そこから別の細菌が入り込んで化膿してしまったり、外用薬にかぶれ(接触皮膚炎)を起こすリスクが高まります。石鹸をよく泡立てて優しく洗い、拭くときはタオルでポンポンと水分をしっかり拭き取ってから塗布してください。


抗真菌薬については、以下のページをご参照ください。

抗真菌薬

この記事の執筆・監修:
上田 喬士
東小金井うえだ皮ふ科 院長 、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 / 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医、医学博士