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【まとめ】ダラシン

・一般名: クリンダマイシン
・炎症をおこしたニキビ(ざ瘡)などに用いる抗菌外用薬
・1日2回塗る

ダラシンはどのようなお薬ですか?

赤く腫れたニキビ(炎症性ざ瘡)や膿んだニキビは、毛穴に詰まった皮脂を栄養にして「アクネ菌」という細菌が過剰に増殖し、炎症を起こしている状態です。

ダラシンの有効成分(クリンダマイシン)はリンコマイシン系の抗菌薬で、これらの細菌に対して優れた殺菌作用を発揮します。
細菌が自分の仲間を増やし、生きていくためには、細胞の中で「タンパク質」を作り出す必要があります。ダラシンは、このタンパク質を作る工場のような部分にピンポイントで働きかけ、タンパク質の合成をストップさせる働き(機序)を持っています。栄養(タンパク質)を作れなくなった細菌は増殖できなくなり、結果として赤く腫れた皮膚の炎症がおさまります。

ダラシンの外用薬の種類

ダラシンには、患者さんの症状や塗る部位に合わせて、いくつかのお薬の形(剤形)が用意されています。当院では、皮膚の状態を丁寧に診察し、最適なものを処方しています。

ダラシンTゲル(ゼリー状のお薬): 透明なゼリー状で、塗った後もベタつきが少なく、皮膚にスッと馴染むのが特徴です。お顔のニキビ治療に最もよく処方される、使い勝手の良いタイプです。

ダラシンTローション(液状のお薬): サラッとした液体で、伸びが非常に良いのが特徴です。そのため、背中や胸元など「広範囲にニキビができている場合」や、毛が生えている部位にとても塗りやすいお薬です。

ダラシンのニキビ使用時の注意点

ダラシンは「赤く腫れているニキビ(細菌がいる状態)」の火消し役としては非常に優秀ですが、「新しいニキビの予防」として長期間使い続けてはいけません。 必要のない時に抗菌薬を塗り続けると、抗菌薬に抵抗性を持つ「耐性菌(たいせいきん)」を生み出してしまうリスクがあります。赤い腫れが引いたらダラシンは卒業し、その後の「ニキビを繰り返さないためのケア(毛穴の詰まりを防ぐお薬など)」に切り替えるのが正しい治療のステップです。ニキビが慢性的に繰り返す方は、ご相談ください。

ダラシンの名前の由来

ダラシンTの、ダラシンの由来は不明ですが、Tは「for Topical use」の略です。

Q 1日に何回塗ればよいですか?

1日2回です。塗り忘れた場合は、気づいた時点ですぐに1回分を塗ってください。ただし、1日2回以上は塗らないでください。

Q どのくらいで効果が出ますか?

個人差はありますが、正しく使用していれば、通常は1〜2週間程度で赤みや腫れが引いてくるのを実感していただけます。

Q ニキビ予防のために、顔全体に塗ってもいいですか?

絶対におやめください。ダラシンは抗菌薬ですので、予防効果はありません。健康な皮膚にまで広範囲に塗り続けると、薬が効かない細菌(耐性菌)を生み出す原因となります。必ず「現在赤く腫れているニキビ、膿んでいるニキビ」にのみ塗布してください。

Q 白ニキビや黒ニキビにも効きますか?

ダラシンは「細菌による炎症」を抑えるお薬ですので、まだ炎症を起こしていない毛穴の詰まり(白ニキビや黒ニキビ)には効果が期待できません。白ニキビ・黒ニキビでお悩みの方には、毛穴の詰まりを改善する別のお薬を処方いたします。


この記事の執筆・監修:
上田 喬士
東小金井うえだ皮ふ科 院長 、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 / 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医、医学博士