皮膚科で処方される外用薬のひとつ 「ドボベット」 について解説いたします。
【注意】 記載内容は原則の解説です。実際の使用は、診察に基づいた医師の判断を優先してください。
【まとめ】ドボベット
・主成分「カルシポトリオール水和物」と「ベタメタゾンジプロピオン酸エステル」の配合剤
・「活性型ビタミンD3」と「ステロイド(Ⅱ群:ベリーストロング)」が1つになったお薬
・1日1回の使用で優れた効果を発揮する
・軟膏、ゲル、フォームの3種類がある
・使用量の上限:「1週間で最大90gまで」
ドボベットとは
ドボベットは先発品の商品名です。有効成分は、皮膚の過剰な増殖を抑える「活性型ビタミンD3(カルシポトリオール水和物)」と、皮膚の炎症を強力に抑える「ステロイド(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)」の2種類です。
これら2つの成分を配合することで、乾癬特有の「赤み、盛り上がり、フケのような落屑(らくせつ)」を効率よく改善し、患者さんの生活の質を大きく向上させます。
なお、配合されているステロイドは、5段階のうち上から2番目の「Ⅱ群」に分類される強力なものです。
配合剤の大きなメリット
・手間の半減:以前の乾癬治療では、「朝はビタミンD3の薬を塗り、夜はステロイドの薬を塗る」など、2種類の薬を別々に塗る手間がありました。ドボベットはこれらが1つに混ざっているため、1日1回塗るだけで済みます。
・相乗効果:治療の手間が大幅に減るだけでなく、2つの成分が助け合うことで、それぞれを単独で使うよりも早く、高い効果が期待できます。
各成分の特徴
活性型ビタミンD3(カルシポトリオール水和物)
一つ目の成分は、ビタミンD3です。
ビタミンD3には、「異常なスピードで増え続ける皮膚の細胞にブレーキをかけ、正常な状態に戻す」という素晴らしい働きがあります。つまり、皮膚が分厚く盛り上がったり、粉が吹いたりするのを根本から抑え込んでくれます。
ステロイド(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)
二つ目の成分は、ステロイドです。
配合されているステロイドは、5段階の強さランクのうち、上から2番目に強い「Ⅱ群」に分類されます。非常に強力な抗炎症作用があり、皮膚の赤み、腫れ、かゆみという「火事」をあっという間に鎮火してくれます。
ドボベットの種類
ドボベットには 軟膏、ゲル、フォーム の3種類があります。
ドボベット軟膏

・王道の保護タイプ
・ワセリンのような油分が多く、保湿力と皮膚への密着力が最も高いタイプです。
・ガサガサに厚く硬くなった皮膚を柔らかくし、薬の成分を奥深くまでじっくり浸透させます。刺激が最も少なく、ひび割れや傷がある部分にも安心して使えます。
・塗った後に少しベタつきが残ります。頭皮(髪の毛の中)に塗ると髪がベタベタになってしまうため不向きです。
・人差し指の先から第1関節までの量(1FTU:約0.5g)で、手のひら2枚分(指を含む)の面積に塗ることができます。
ドボベットゲル

・さらっと伸びる万能タイプ
・「ゲル」という名前ですが、実際にはとろみのある透明なローションのような液体です。
・頭皮に使用しやすい:非常に伸びが良く、髪の毛についても固まりにくいため、頭皮の乾癬治療を劇的に楽にしました。 軟膏ほどのベタつきがないため、体幹(お腹や背中)など広い範囲にもスッと塗り広げることができます。
・軟膏に比べると保湿力は劣ります。また、掻きこわした傷口に塗ると少ししみる(刺激を感じる)ことがあります。
・1円玉大の量(約0.5g)で、手のひら2枚分(指を含む)の面積に塗ることができます。
ドボベットフォーム

・最速で効果が得られる泡タイプ
・皮膚に乗せると泡がスッと液状に変化し、一瞬で広範囲に塗り広げることができます。塗った直後からベタつきがほとんどありません。
・スプレー式のため、周囲に飛び散らないよう手に取ってから塗るなどのコツが必要です。
・他の剤形と比較すると、効果の立ち上がりが早く、最速で効果を認めます。
・【噴霧の仕方】 上下に5秒以上よく振ってから、ボタンを下まで押し切って噴霧してください。
・【直接塗る場合】 3cm以上離して噴霧します(6cm程度を目安に)。
・【手に取って塗る場合】周囲への飛び散りが気になる場合は、一度手のひらに泡を出してから患部に塗り広げることも可能です。
・2秒間噴射した量(約0.5g)で、手のひら2枚分(指を含む)の面積に塗ることができます。
ドボベットを使用する主な疾患
ドボベットは以下のような皮膚疾患に用いられます。
・尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
ドボベットの名前の由来
ドボベット(Dovobet)は、「Vitamin D」と「betamethasone」をかけ合わせて命名されました。
ドボベットの主な副作用
ドボベットには、ビタミンD3およびステロイド外用薬で起こる以下のような副作用が認められます。
・皮膚の刺激感(ヒリヒリ感、かゆみ)
・ニキビ様皮疹、毛嚢炎
・皮膚の萎縮(薄くなる)、毛細血管の拡張
・血清カルシウム値の上昇(※ビタミンD3の影響)
ドボベットの「使用量の上限」と「注意点」
ドボベットは3種類ありますが、中身は「活性型ビタミンD3」と「ベリーストロングクラスのステロイド」の配合剤です。
以下の注意点は共通して守りましょう。
・塗るのは「1日1回」まで:ドボベットは1日1回の塗布で十分な効果が24時間持続するように設計されています。
・使用量の上限を守る:ドボベットには「1週間で最大90gまで」という使用量の上限が定められています。
・「顔」「デリケートゾーン」には原則使わない:皮膚が薄い場所には強すぎるため、医師の指示がある場合を除き避けてください。
・塗った後は「手を洗う」:薬を塗った手でうっかり目をこすったり、顔を触ったりすると、強いステロイド成分が意図しない場所についてしまいます。
ドボベットのQ&A
Q 保湿剤(ヒルドイドなど)と一緒に使ってもいいですか?
はい、問題ありません。
順番としては、「先に全身に保湿剤を広く塗り、その後に赤い部分(病変部)だけにドボベットを塗る」という手順がお勧めです。
Q ジェネリック医薬品(後発品)はありますか?
記事作成の2026年3月時点では、ジェネリック医薬品は販売されていません。
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