皮膚科で処方されるステロイド外用薬のひとつ 「リドメックス」 について解説いたします。
【注意】 記載内容は原則の解説です。実際の服用は、診察に基づいた医師の判断を優先してください。
【まとめ】リドメックス
・主成分「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」
・ステロイド外用薬の1つ
・上から4番目に強いランク(Ⅳ群)
・軟膏、クリーム、ローションの3種類がある
リドメックスとは
アンテベートは先発品の商品名です。主な有効成分は「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(Prednisolone Valerate Acetate)」です。
これはステロイドの一種で、グルココルチコイド受容体に結合し、皮膚の炎症を抑える作用を発揮します。
赤み、かゆみ、腫れなどを改善し、患者さんの生活の質を大きく向上させます。

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ステロイド外用薬には強さのランクがあり、アンテベートは 5段階のうち「Ⅳ群:ミディアム」 に分類されます。Ⅳ群の中では効果が高く、Ⅲ群に近い強さがあると思われます。
“強さ”のランクにとらわれないで!
ステロイド外用薬には「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」など、“強さ”を示すランクが表示されています。
しかし、このランクは必ずしも実際の効果を正確に表すものではありません。
同じ薬でも、塗る部位によって効き方が変わります。たとえば「強め」とされる薬でも、手足の湿疹では十分に効果があらわれないことがありますし、逆に顔の湿疹では強力に作用してしまうこともあります。
また、病気の種類によっても必要な強さは異なります。
強めの薬を使わないと改善しにくい疾患もあれば、弱めの薬でも十分に効果が得られる場合もあります。
当院では、薬の名前やランクだけにとらわれず、患者さんの症状や塗布する部位を丁寧に見極めて適した薬を選んでいます。
名称が類似した薬剤に注意
「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(リドメックス)」のほかにも、名前に「ベタメタゾン」とつく外用薬がいくつかあります。
たとえば、
・「プレドニゾロン酢酸エステル(プレドニン眼軟膏)」
です。
名前が似ているため、混同しやすいので注意が必要です。
さらに、2005年以降に発売された後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、
『一般的名称 + 剤形 + 含量 + 会社名(屋号)』
という形式で表記されています。
そのため、一般名称が長いステロイド外用薬では、薬の名前が複雑になり、間違えやすいことがあります。
リドメックスの種類
リドメックスには 軟膏、クリーム、ローション の3種類があります。
・軟膏:油分が多く、乾燥してカサカサした皮膚に適する
・クリーム:べたつきが少なく、広範囲に塗りやすい
・ローション:頭皮など毛のある部位に適する
なお、リドメックスクリームはO/W(水中油型)のクリーム剤です。
リドメックスは「アンテドラッグ」
リドメックスの最大の特徴は、アンテドラッグという性質を持っていることです。アンテドラッグとは、患部でしっかりと効果を発揮した後、体内に吸収されると速やかに分解されて活性を失うタイプのお薬のことです。もともとステロイド外用薬は全身の副作用が起こりにくい薬ですが、アンテドラッグであることにより、より「全身への副作用(内服薬のような副作用)」が起こりにくくなっています。そのため、安全性と効果のバランスが非常に優れています。
リドメックスを使用する主な疾患
リドメックスは以下のような皮膚疾患に用いられます。
・湿疹、皮膚炎:アトピー性皮膚炎、かぶれ(接触皮膚炎)、脂漏性皮膚炎など
・虫刺され
・乾癬、掌蹠膿疱症など慢性炎症皮膚疾患
・痒疹群
リドメックスの名前の由来
リドメックスのインタビューフォームには、由来は特になしと記載されています。
リドメックスの主な副作用
リドメックスには、ステロイド外用薬で起こる以下のような副作用が認められます。長期、広範囲に使用する場合は、医師の指示に従ってください。
・皮膚の萎縮(薄くなる)
・毛細血管の拡張
・ニキビ様皮疹、毛嚢炎
・感染症の悪化(細菌・真菌)
特に顔や陰部など皮膚が薄くて外用剤の吸収がよい部位では副作用が出やすいため、医師の指示を守ることが重要です。
アンテベートの塗る量の目安
アンテベートの塗る量の目安は、単独のチューブで処方されている場合、「FTU(Finger Tip Unit)」が参考になります。
保湿等と混合されている場合には「ティッシュが付着するくらい」「軽くテカるくらい」が目安となります。

ステロイド外用薬については、以下のページをご参照ください。