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最新更新日:2024年1月27日

当院に通院してくださるじん麻疹の患者さんへ

診察時間が限られるため、説明しきれないところを補完するために作りました。
治療の参考にしてください。

じん麻疹について

じん麻疹は、虫に刺されたようなミミズ腫れ、膨らみ、赤み、かゆみが数時間のうちに出たり消えたりし、痕を残さないのが特徴です。
英語では hives、日常会話では wheal または wale(みみずばれ)と呼ばれます。

はじめてじん麻疹にかかられた患者さんの大半は「原因は?」と心配されますが70~80%以上の患者さんは「特発性」とよばれる原因が特定できないじん麻疹です。
そのため高いお金を払って血液検査を受けても、むくわれないことがほとんどです。
疑わしい原因があり、検査が可能であればご相談の上で検査を考えたいと思います。
原因が特定できる例は、風邪や痛み止めなどの飲み薬が誘因となる場合、または毎回特定の食べ物を食べた後に出現する場合などです。
ほとんどは接種後30分~2時間で症状がでます。

【1】特発性のじん麻疹(原因不明のじん麻疹)

原因不明のじん麻疹の経過は、2週間程度で症状がでなくなる一過性の急性じん麻疹と、6週間以上経過する慢性じん麻疹に分かれます。

急性じん麻疹

・6週間以内におさまる
・感染症に伴い起こることが多い。

慢性じん麻疹

・6週間以上続く
・夕方から夜間に症状が現れ悪化することが多い
・ストレスや疲労で悪化しやすい

【2】刺激誘発型のじん麻疹

特定の刺激や条件が加わることによって起こるじん麻疹

アレルギー性のじん麻疹

食物、薬品、植物などに含まれるアレルゲンに反応して起こります。通常、アレルゲンのものを食べたり、それらに触れたりした数分~2時間後に症状があらわれます。

物理性じん麻疹

皮膚の擦過・寒冷・温熱・日光など、皮膚への物理的な刺激によって起こるじん麻疹です。通常は、出現してから数分~2時間程度で膨疹がおさまります。

コリン性じん麻疹

入浴・運動・精神的な緊張による発汗により、細かい点々としてあらわれます。通常、数分~2時間以内に一旦自然に消えます。

じん麻疹の治療について

じん麻疹の治療の基本は、原因となる因子があれば、その原因因子を回避・除去することです。
しかし原因不明なことも多いため、現実的には薬物で治療をしていくことになります。

治療目標は、「治療によって症状があらわれなくなる、または生活に支障のない程度まで症状がおさえられる状態」をめざします。そして、最終的なゴールは「お薬を使用することなく症状が出ない状態」を目指します。


薬物治療の第1選択は第2世代の抗ヒスタミン薬が第1選択の治療となります(Step 1)。
難治な場合には変更、追加を考えます。
じん麻疹に塗り薬はほとんど効果がありませんが、保険適応のある塗り薬がありますので処方する場合もございます。


多くはStep 1の抗ヒスタミン薬で落ち着きますが、4~5日の内服でも症状がおさまらなければ早めにご相談ください。
おおよそ8~9割の患者さんは抗ヒスタミン薬で一定の効果がでると報告されています。

蕁麻疹に外用薬はほぼ無効

蕁麻疹に外用薬はほとんど効果がありませんが、一部、保険適応になっている外用薬がありますので、状況に応じて処方いたします。

治療の継続期間

症状が軽くなってきたら、あるいは現れなくなってきたら、お薬の服薬回数や用量を調整し、症状が完全になくなるまで治療を続けていきます。
当院では以下を基本としてお話ししています。問題があればいつでもご相談ください。

① 急に発症された患者さん

急に発症された患者さんは、症状が一見落ち着いていても7日分は内服してください。
7日の時点で数日間じん麻疹がでていなければ内服を中止して様子をみてもよいですが、症状がくすぶる場合や再燃する場合は、慢性じん麻疹と考え内服を継続した方がよいです。

① 2ヵ月以上長く症状が続いている患者さん

2ヵ月以上長く症状が続いている患者さんは、3ヵ月以上の内服を続けて、症状がでない状況を継続された方が再燃しにくいです。

中止を試みても症状が出てしまう方は、治療を継続しましょう。
平均して1年以上慢性蕁麻疹が続くという統計もございますが、そのうちに症状が出なくなる患者さんも多くいるので諦めずに継続しましょう。