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最新更新日:2025年5月2日

当院に通院いただいた帯状疱疹の患者さんへ

診察時間が限られるため、説明しきれないところを補完するために作りました。
治療の参考にしてください。

帯状疱疹について

【帯状疱疹、読み方:たいじょう-ほうしん】

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスでおこる病気です。
子供の頃に「水痘(みずぼうそう)」にかかると(初感染)、その後ウイルスは神経の奥の方で眠った状態になります(潜伏感染)。
ウイルスに対する抵抗力が低下したとき、水痘・帯状疱疹ウイルスが目覚めて、帯状疱疹を起こします(再感染)

帯状疱疹の初期では痛みが先行することが多く(およそ5割くらいの方は痛みが先行します)、皮膚に症状が出ていないことが多いです。
一般的に3ヵ月以上痛みが残ると帯状疱疹後神経痛といわれます。
およそ1~2割の方が帯状疱疹後神経痛になります。

デルマトーム(皮膚分節)

病変は通常、片側性です。つまり右側なら右側のみ、左側なら左側のみです。
領域は1領域だけの場合もありますが、前後の2~3領域にわたり発症することもあります。
とても稀ですが、複数の領域(近接しない他の領域に複数生じる)ケースや、両側性に生じるケースの報告があります。

帯状疱疹の痛み

帯状疱疹といえば「痛い病気」というイメージがあるかもしれません。
「家族・知人が帯状疱疹になってすごく痛がっていた」といって不安を抱えて受診される方々がたくさんいらっしゃいます。まさに、そのイメージ通りで帯状疱疹は痛みがでる皮膚の病気です。

Q 帯状疱疹の痛みはいつまで続きますか?

よく受ける質問ですが、こればかりは誰もわかりません。
痛みの程度は様々です。全く痛みが出ないで終わる人もいれば、痛みが残ってしまう人もいます。
不安が募るかもしれませんが、多くの方は治療を継続していくうちに自制内となり鎮痛薬が不要となります。
まずは不安にならずに痛みに応じた治療を行いましょう。


なお、皮膚にはほとんど症状が出ていないのに激痛になる人もいれば、激しく水疱ができているのに痛みがない人までいます。
「皮膚の症状」と「痛み」は分けて考えた方がよいでしょう

Q 水疱が出ていない部位が痛いです。これも帯状疱疹の痛みでしょうか?

痛みの部位が、上記のデルマトーム(皮膚分節)と一致していれば帯状疱疹の痛みだと思われます。痛い部位に、必ずしも水疱などの皮膚症状がでるとはかぎりません。

痛みの評価(痛みの評価のためのスケール)

他人はどのくらい痛いのかわかりません。
そこで、以下のようなスケールを用いて痛みの評価をいたします。

帯状疱疹の治療

治療の基本な「抗ヘルペスウイルス薬」の内服です。
現在4種類の内服薬がありますが、基本的に7日間内服を行います。

治療効果がでるまで2~3日

抗ヘルペスウイルス薬の内服をはじめてから、効果が出るまで2~3日ほどかかります
その間、あたらしく水疱や赤い斑点ができます。

薬を飲み始めた翌日に水疱が新しくできたので「薬が効いていない!」と思ってしまい受診される方が時々いらっしゃいます。
抗ウイルス薬は見た目の効果がでるのに2~3日ほどかかります。
その間、あたらしく水疱ができますので、薬が効いていないとは思わないでください。

日常生活の注意点

安静

帯状疱疹は疲労がたまった時、強いストレスがかかる環境にいる時に起こりやすい病気です。
そして、原因ウイルスに対する免疫が落ちたときに発症します。
十分な睡眠と休息をとりましょう。

小さな子供との接触を控える

帯状疱疹は、原則的に「水疱部にいる原因ウイルスと接触する」ことで他人にうつります。
他人にうつった場合、水痘(みずぼうそう)として発症します。
水痘(みずぼうそう)に罹患したことのない乳幼児、特に水痘(みずぼうそう)のワクチンをうっていないお子さまと接触していると発症される可能性があります。

Q 子供は水痘ワクチンを打っています。私(親)の帯状疱疹はうつりますか?

2014年(平成26年)10月1日から水痘ワクチンが定期予防接種になりました。そのため、今の小さなお子さまは水痘ワクチンを打っているかことが多く、親が帯状疱疹になっても水痘を発症しない確率が高くなりました。
しかしながら、水痘ワクチンを接種していても親の帯状疱疹から感染をしたと思われる水痘のお子さまを経験しています。絶対にうつらないものではありません。

Q 帯状疱疹が治りました。この後、帯状疱疹のワクチンを打った方がよいですか?

帯状疱疹に罹患すると、このウイルスに対する抵抗力が一時的に上昇します。しばらくは帯状疱疹になる可能性は低いでしょう。
しかしながら時間が経過するうちにウイルスに対する抵抗力が低下していきます。そして、2度目、3度目の帯状疱疹に罹患する可能性があります。
明確な指標はありませんが3~5年経過したら帯状疱疹ワクチンの接種を検討してみてください。
なお、持病で免疫が低下している方(免疫抑制剤で治療中の方、抗癌剤投与中の方など)は、もっと早期に帯状疱疹ワクチンを検討してもよいでしょう。主治医とご相談ください。