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皮膚科で処方されるステロイド貼付剤の「エクラープラスター」 について解説いたします。

【まとめ】エクラープラスター

・主成分「デプロドンプロピオン酸エステル」
・密封療法(ODT)に近い効果が得られる
・よい適応部位:ケロイド、肥厚性瘢痕、痒疹、しつこく硬くなった湿疹部位
・患部の大きさに合わせてジャストサイズにカットして使用すること(サイズ調整)が重要

エクラープラスターとはどんな薬か?

エクラープラスターは、「デプロドンプロピオン酸エステル(Deprodone Propionate)」というステロイド成分が含まれた貼付剤(貼り薬)です。

ステロイド(副腎皮質ホルモン)には、炎症を抑える、アレルギー反応を抑制する、細胞の増殖を抑えるといった働きがあります。エクラープラスターは、これらの作用を「貼る」という形で行うことで、患部へ集中的に、かつ持続的に薬剤を届けることができるお薬です。

デプロドンプロピオン酸エステルはステロイド外用薬の5段階のランクでは「3群:Strong」というランクに分類される成分ですが、テープ剤として密閉されることでランク以上の高い効果を発揮します。

エクラープラスターの最大の特徴:密封療法(ODT)

エクラープラスターの最大の特徴は、貼付剤により「密封療法(ODT:Occlusive Dressing Therapy)」に近い効果を自然に得られる点です。

通常、塗り薬(軟膏やクリーム)は、塗った後に衣服で擦れたり、汗で流れたりして、薬剤が患部にとどまる時間が短くなることがあります。一方、エクラープラスターのようなテープ剤は、以下のメリットを提供します。

  • 薬剤の浸透を高める: 皮膚を密閉することで、皮膚の角質層をふやけさせ(膨潤)、薬剤の吸収率を劇的に高めます。
  • 保護作用: 患部を物理的に覆うことで、外部からの刺激や摩擦、乾燥から守ります。
  • 持続性: 24時間貼り続けることで、薬剤が一定の濃度でずっと供給され続けます。

特に、皮膚がカチカチに硬くなった「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」や「ケロイド」といった症状には、塗り薬だけでは成分が奥まで届きにくいため、この「貼る」というプロセスが極めて重要になります。

エクラープラスターの使いどころ

当院では、主に以下のような症状に対してエクラープラスターを処方しています。

① ケロイド・肥厚性瘢痕

手術の跡、ニキビ跡、ピアスホールのトラブル、火傷の跡などが、赤く盛り上がって硬くなることがあります。これを「ケロイド」や「肥厚性瘢痕」と呼びます。これらは皮膚が過剰に修復しようとしてコラーゲンが過剰増殖している状態です。エクラープラスターを貼り続けることで、ステロイドが炎症を鎮め、コラーゲンの増殖を抑制し、盛り上がりを軽減させます。ただし、赤みには効果が乏しいです。

② 痒疹

虫刺されを放置したり、掻き続けたりすることで、イボのように硬く盛り上がった「痒疹(ようしん)」になることがあります。これは非常に治りにくいのですが、テープ剤で密封することで改善することがあります。

③ 盛り上がりの強い慢性的な湿疹

かゆみが強く、ついつい掻き壊してしまうことで皮膚がゴワゴワと象の皮膚のように硬くなってしまった状態(苔癬化:たいせんか)に有効です。貼ることで「掻けない」状況を作り出し、同時に炎症を強力に抑えます。

正しい使い方とコツ

貼り方
  1. 患部を清潔にする: 汗や皮脂を洗い流し、よく乾かしてから貼ります。水分が残っていると剥がれやすくなります。
  2. 患部の大きさに合わせてカットする: これが一番重要です。患部からはみ出さないように、やや小さめ(またはジャストサイズ)にハサミで切ってください。正常な皮膚に貼り続けると、その部分の皮膚が薄くなるなどの副作用が出やすくなるためです。
  3. 角を丸く切る: 四角いまま貼るよりも、角を丸く落とすことで剥がれにくくなります。

エクラープラスターを適切な大きさに切ってサイズ調整することが治療を成功させるための最大の「コツ」ポイントです。

貼り替えのタイミング

通常は12~24時間ごとに1回貼り替えます。お風呂上がりの清潔な状態で貼り替えるのがルーチンにしやすいでしょう。もし途中で剥がれてしまった場合は、その日のお風呂上りに新しいものに貼り替えるとよいでしょう。

使用上の注意点と副作用

よく見られる局所的な副作用

副作用は基本的にステロイド外用薬と同じです。病変部周囲への副作用を起こさないためにも、必ずエクラープラスターを切ってサイズ調整を行ってください。

・皮膚の萎縮(皮膚が薄くなる)
・毛細血管拡張
・皮膚感染症の悪化(ニキビ、毛嚢炎)
・かぶれ(接触皮膚炎)
・色素脱失

使用を控えるべき部位

顔面: 顔の皮膚は薄いため、吸収率が高くなりすぎます。原則として顔への使用は慎重に行うか、短期間にとどめます。使用する場合は医師の指示に従ってください。
感染症がある部位: 水虫、とびひ、ヘルペスなどの感染がある場所にステロイドを貼ると、菌の増殖を助けてしまい、悪化することがあります。