アクセス
ホーム
サイトマップ
オンライン順番予約

皮膚科で処方されるステロイド外用薬のひとつ 「アンテベート」 について解説いたします。

【まとめ】アンテベート

・主成分「ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル」
・ステロイド外用薬の1つ
・強さのランクは2群
・比較的強めに分類される
・軟膏、クリーム、ローションの3種類がある

アンテベートとは

アンテベートは先発品の商品名です。主な有効成分は「ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(Betamethasone Butyrate Propionate)」です。
これはステロイドの一種で、皮膚の炎症を強力に抑える作用があります。
赤み、かゆみ、腫れなどを改善し、患者さんの生活の質を大きく向上させます。

ステロイド外用薬には強さのランクがあり、アンテベートは 「2群:ベリーストロング」 に分類されます。
比較的強めのステロイド外用薬です。
正しく使えば強い味方になります。
一方、自己判断で「残った薬を別な病変部(たとえば顔や陰部など)に塗る」といった不適切な使用をしないように気を付けてください。

“強さ”のランクにとらわれないで!

ステロイド外用薬には「ストロング」「マイルド」「ウィーク」など、“強さ”を示すランクが表示されています。
しかし、このランクは必ずしも実際の効果を正確に表すものではありません。
同じ薬でも、塗る部位によって効き方が変わります。たとえば「強め」とされる薬でも、手足の湿疹では十分に効果があらわれないことがありますし、逆に顔の湿疹では強く作用してしまうこともあります。
また、病気の種類によっても必要な強さは異なります。
強めの薬を使わないと改善しにくい疾患もあれば、弱めの薬でも十分に効果が得られる場合もあります。
当院では、薬の名前やランクだけにとらわれず、患者さんの症状や塗布する部位を丁寧に見極めて適した薬を選んでいます。

アンテベートの種類

アンテベートには 軟膏、クリーム、ローション の3種類があります。

・軟膏:油分が多く、乾燥やカサカサした皮膚に適する
・クリーム:べたつきが少なく、広範囲に塗りやすい
・ローション:頭皮など毛のある部位に適する

アンテベートを使用する主な疾患

アンテベートは以下のような皮膚疾患に用いられます。

・湿疹、皮膚炎:アトピー性皮膚炎、かぶれ(接触皮膚炎)、脂漏性皮膚炎、虫刺されによる強い炎症など
・乾癬、掌蹠膿疱症など慢性炎症皮膚疾患
・ケロイド、肥厚性瘢痕
・円形脱毛症
・水疱症(天疱瘡群、水疱性類天疱瘡など)
・薬疹、中毒疹

アンテベートの名前の由来

アンテベートは先発品の商品名です。「Antiinflammatory Effect Betamethasone Butyrate Propionate(抗炎症効果のあるベタメタゾンのエステル化合物)」の頭文字等を並べたのが名前の由来となっています。

アンテベートの主な副作用

アンテベートには、ステロイド外用薬で起こる以下のような副作用が認められます。長期、広範囲に使用する場合は、医師の指示に従ってください。

・皮膚の萎縮(薄くなる)
・毛細血管の拡張
・ニキビ様皮疹、毛嚢炎
・感染症の悪化(細菌・真菌)

特に顔や陰部など皮膚が薄くて外用剤の吸収がよい部位では副作用が出やすいため、医師の指示を守ることが重要です。


ステロイド外用薬全般(総論)については、以下のページをご参照ください。

ステロイド外用薬