やけど(熱傷)
【熱傷、読み方:ねっしょう、俗:やけど】
やけどは、熱や化学物質などによって皮膚やその下の組織が損傷した状態です。
症状は軽い赤みから、水ぶくれ、さらには皮膚の壊死まで幅広くあります。
やけどの原因は多岐にわたります。
臨床でよく見られるのは「熱湯」「お湯」「アイロン」「ヘアアイロン」などです。飲食店のお仕事の方は注意が必要です。
冬は「湯たんぽ」「カイロ」による低温やけど(低温熱傷)にも注意が必要です。「湯たんぽ」は就寝前に布団内を温めるために使用し、就寝時には布団から抜く方がよいでしょう。
小さなお子様がいるご家庭の場合、「炊飯器」の蒸気には注意してください。特に1歳前後の動き始めた頃に、炊飯器からでる蒸気に手を伸ばしてやけどするお子さんが多く経験します。
やけど(熱傷)の重症度
やけどの重症度は、受傷した「深さ」と「面積」で分類されます。
受傷した「深さ」による分類
Ⅰ度:表皮のみの損傷
Ⅱ度:真皮まで損傷(浅層と深層に分かれる)
Ⅲ度:皮下組織まで損傷
受傷した「面積」による評価
体表面積の何%を占めるかで重症度が変わります。広範囲の場合は全身管理が必要になります。
当院では、やけどの深さや広さを診察で丁寧に確認し、最適な治療法をご提案します。また、重症者につきましては、高度医療機関へご紹介となります。
Q 水ぶくれ(水疱)は潰した方がいいですか?
潰すと感染のリスクが高まります。ご自身で潰すのはすすめられません。
一定の大きさの水疱ができてしまうと、水疱内の浸出液が増えることで水疱大きくなったり、治りが遅延したりするため当院では水疱を破ることがあります。水疱を破るかどうかの判断や、処置については当院にご相談ください。
Q 治療後に跡は残りますか?
深さによっては跡が残ることがありますが、当院では瘢痕を最小限にするための外用薬やケアを行っています。