皮膚科で処方される抗ヒスタミン薬のひとつ 「クラリチン」 について解説いたします。
【注意】 記載内容は原則の解説です。実際の服用は、診察に基づいた医師の判断を優先してください。
【まとめ】クラリチン
・主成分「ロラタジン」
・第2世代抗ヒスタミン薬の1つ
・空腹時の内服を推奨
・眠気はほとんど出ない
クラリチンとはどのようなお薬ですか?

クラリチンは2002年に日本で発売、そして水なしで飲めるレディタブ錠が2004年に発売されました。
「第2世代抗ヒスタミン薬」に分類される抗アレルギー薬です。
ロラタジンが主成分です。
私たちの体には「ヒスタミン」という物質があります。
これは体内で炎症やアレルギー反応を起こすきっかけになる物質です。
花粉やハウスダストなどに反応すると、ヒスタミンが放出され、鼻水・くしゃみ・かゆみ・赤みなどの症状が出ます。
皮膚においては、ヒスタミンは「かゆみ」を引き起こす代表的な物質です。
このヒスタミンの働きをブロックする薬を「抗ヒスタミン薬」といいます。

クラリチンの特徴
眠気がほとんど出ない
多くの抗ヒスタミン薬には「服用後の自動車運転等の禁止・注意」という記載がありますが、クラリチンにはこの記載がありません。脳内への薬の移行が非常に少ないため、眠気や集中力の低下(インペアード・パフォーマンス)がほとんど起こらないとされています。※ただし、個人差はありますので、初めて服用する際は様子を見てください。
食事の影響を受けない
一部の抗ヒスタミン薬は食事の影響を受けて効果が減弱しますが、クラリチンは食事の前後を気にする必要がありません。思い出した時にいつでも服用できるため、外出先や忙しい時間帯でもストレスなく継続できます。
1日1回の服用で24時間持続
1日2回飲むタイプのお薬に比べ、飲み忘れのリスクが大幅に減ります。「朝飲めば、翌朝まで安心」というリズムは、治療を継続する上で大きなメリットです。
水なしでサッと溶ける「レディタブ錠」の利便性
クラリチンには、普通の錠剤に加えて「レディタブ錠」という特別なタイプがあります。これは「口腔内崩壊錠」と呼ばれるものです。
レディタブ錠の最大の特徴は、水なしでラムネのように口の中でサッと溶ける点です。
「朝、急いで家を出て飲み忘れたことに気づいた」「外出先で急に痒みが出てきた」という時でも、場所を選ばずその場で服用できます。
錠剤を飲み込むのが苦手なお子さまや、ご高齢の方でも、口の中で溶かして唾液と一緒に飲み込むことができるため、飲み込みの負担を減らし、無理なく治療を続けられます。
なお、レディタブ錠を通常の錠剤と同じように、お水と一緒に飲んでいただいても全く問題ありません。
クラリチンが処方される疾患
主に以下のような疾患に用いられます。
・アレルギー性鼻炎
・蕁麻疹(じんましん)
・皮膚疾患に伴う痒み(湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症)
クラリチンの服用方法
クラリチンは通常、成人では「1日1回、1回10mg」を食後に服用します。
なお、症状により量を増減して処方することがあります。
小児
クラリチンは3歳以上から適応となります。
原則は以下の投与量です。
・3歳以上7歳未満:1日1回、1回5mg
・7歳以上:1日1回、1回10mg
腎臓に持病がある方
クラリチンは腎機能が低下していても、通常量で投与が可能と考えられています。
妊娠中・授乳中
クラリチンは、妊娠授乳中でも安全性が高いと考えられています。妊娠・授乳中の方が抗ヒスタミン薬を必要とする際に、優先的に検討される薬の一つです。
クラリチンの名前の由来
クラリチンは、明快・清澄等を意味するclarity(clearの名詞形)から命名されました。
またクラリチンレディタブ錠のレディタブは、速やかに崩壊する錠剤(rapidly disintegrating tablets)の頭文字を取り、素早く溶けるイメージから命名されました。
クラリチンの「処方薬」と「市販薬(スイッチOTC)」の違い
ㅤ現在、クラリチン(ロラタジン)は薬局やドラッグストアで購入できる「スイッチOTC」としても広く普及しています。有効成分自体は同じですが、医療機関で処方を受ける「処方薬」には、以下のような大きなメリットがあります。
用量調整の選択肢と、他剤との併用
市販のクラリチンは、1回10mgを1日1回服用するスタイルに固定されています。しかし、重症のじんま疹などの場合、標準量では痒みが止まらないことも少なくありません。保険診療では、クラリチン(ロラタジン)を症状に応じて増量することが可能です。
そして、医療機関では、ガイドラインに基づき、症状に合わせて用法・用量を調整したり、他のお薬と組み合わせたりする「オーダーメイドの治療プラン」を立てることが可能です。
経済的なメリット(保険適用)
処方薬は健康保険が適用されるため、窓口での負担額を大幅に抑えられる場合があります。
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抗ヒスタミン薬については、以下のページをご参照ください。